「何か質問はありますか?」
面接の終盤、必ずと言っていいほど聞かれるこの質問。
「特にありません」と答えていませんか?
それ、かなりもったいないです。
逆質問は、あなたの志望度や入社意欲をアピールできる絶好のチャンス。
使い方次第で、面接の印象を大きく変えることができます。
この記事では、転職面接の逆質問で「好印象を与える質問例」と「絶対避けるべきNG質問」を徹底解説します。
そもそも逆質問とは?なぜ聞かれる?
逆質問とは
面接の終盤で、面接官から「何か質問はありますか?」と聞かれること。
応募者から企業へ質問する機会のことを「逆質問」と呼びます。
企業が逆質問を聞く4つの理由
①志望度を確認したい
企業研究をしっかりしている人は、具体的な質問ができます。
逆に「特にありません」と答えると、「興味がないのかな?」と思われます。
②コミュニケーション能力を見たい
自分から質問を組み立てて、的確に聞けるか。
会話のキャッチボールができるかをチェックしています。
③企業とのマッチ度を測りたい
応募者が何を重視しているのか、質問内容から判断しています。
「この人はうちの社風に合うか?」を見ています。
④応募者の疑問を解消したい
入社後のミスマッチを防ぐために、疑問や不安を解消する時間を設けています。
つまり、逆質問は「ただの質問タイム」ではなく「最後のアピールタイム」なんです。
逆質問で好印象を与える5つのポイント
ポイント①:3〜5個は事前に準備しておく
面接中に質問が解決してしまうこともあるので、複数準備しておきましょう。
準備の目安
- 一次面接:3〜5個
- 最終面接:5個以上
ポイント②:面接官の役職に合わせた質問をする
面接官によって、聞くべき内容が変わります。
| 面接官 | 適した質問内容 |
|---|---|
| 人事担当者 | 社風、評価制度、キャリアパス |
| 現場責任者 | 具体的な業務内容、チーム体制 |
| 役員・経営者 | 会社のビジョン、事業戦略 |
人事に現場の細かい業務を聞いても、答えられないこともあります。
ポイント③:「入社後」を想像させる質問をする
「この人が入社したらどう働くか」をイメージさせる質問が効果的です。
OK例
「入社後、最初の3ヶ月でどのような業務を担当することが多いですか?」
ポイント④:自己アピールを織り交ぜる
質問しながら、さりげなく自分の強みをアピールできます。
OK例
「前職では新規開拓営業を担当していました。御社でも新規開拓の機会はありますか?」
ポイント⑤:回答に対してリアクションする
質問して終わりではなく、回答に対して感謝や感想を伝えると好印象です。
「ありがとうございます。お話を聞いて、ますます御社で働きたいという気持ちが強くなりました」
【シーン別】逆質問例文30選
仕事内容・業務に関する逆質問(10選)
①入社後の業務について
「入社後、最初に担当する業務はどのようなものになりますか?」
②1日の流れについて
「配属予定の部署での、1日の業務の流れを教えていただけますか?」
③チーム体制について
「配属先のチームは何名くらいで、どのような役割分担をされていますか?」
④求められるスキルについて
「このポジションで成果を出すために、特に重要なスキルや能力は何でしょうか?」
⑤活躍している人の特徴
「御社で活躍されている方に共通する特徴があれば教えてください」
⑥中途入社者の活躍について
「中途入社の方は、どのくらいの期間で独り立ちされていますか?」
⑦目標・評価について
「このポジションの目標設定や評価はどのように行われていますか?」
⑧入社前に準備すべきこと
「入社までに勉強しておいた方がよいことがあれば教えてください」
⑨繁忙期について
「業務の繁忙期はいつ頃でしょうか?また、その時期はどのような業務が増えますか?」
⑩困難な場面について
「この仕事で大変だと感じる場面があれば教えてください」
キャリア・成長に関する逆質問(8選)
①キャリアパスについて
「このポジションからのキャリアパスとして、どのような道がありますか?」
②昇進・昇格について
「昇進・昇格の基準や、目安となる年数を教えていただけますか?」
③スキルアップの機会について
「社内での研修制度や、スキルアップを支援する制度はありますか?」
④異動・ローテーションについて
「部署間の異動やジョブローテーションはありますか?」
⑤資格取得支援について
「資格取得のサポート制度があれば教えてください」
⑥マネジメント経験について
「将来的にマネジメントに携わる機会はありますか?」
⑦新しい挑戦について
「新しいプロジェクトや事業に手を挙げられる文化はありますか?」
⑧3年後の期待について
「3年後、このポジションの人に期待することは何でしょうか?」
会社・組織に関する逆質問(7選)
①社風について
「御社の社風や、大切にされている価値観を教えてください」
②チームの雰囲気について
「配属予定のチームの雰囲気はどのような感じでしょうか?」
③会社の強みについて
「競合他社と比較した御社の強みは何だとお考えですか?」
④今後の事業展開について
「今後、特に注力されていく事業や領域があれば教えてください」
⑤中途入社の比率について
「社員の中で、中途入社の方の割合はどのくらいですか?」
⑥会社の課題について
「御社が現在、課題として捉えていることがあれば教えてください」
⑦面接官個人への質問
「〇〇様がこの会社で働いていてやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?」
最終面接で使える逆質問(5選)
最終面接では、経営視点の質問が効果的です。
①経営ビジョンについて
「5年後、10年後に御社が目指している姿を教えてください」
②入社者への期待について
「私のような中途入社者に、最も期待されていることは何でしょうか?」
③経営者の想いについて
「〇〇様がこの会社を経営される上で、最も大切にされていることは何ですか?」
④会社の未来について
「御社が今後さらに成長するために、必要だとお考えのことは何ですか?」
⑤決め手となるポイント
「御社が採用する方を決める際に、最も重視されるポイントは何でしょうか?」
絶対避けるべきNG逆質問10選
逆質問には「聞いてはいけない質問」もあります。
NG①:「特にありません」
なぜNG?
志望度が低いと思われます。必ず何か質問しましょう。
NG②:調べればわかる質問
NG例
「御社の主な事業内容を教えてください」
「従業員数はどのくらいですか?」
なぜNG?
企業研究をしていないと思われます。HPを見ればわかることは聞かない。
NG③:待遇・条件ばかりの質問
NG例
「残業は月何時間くらいですか?」
「有給は取りやすいですか?」
「ボーナスは何ヶ月分ですか?」
なぜNG?
「仕事より条件を重視している」と思われます。聞くなら1つだけ、聞き方に注意。
OKな聞き方
「前職では月30時間程度の残業がありました。御社の繁忙期の状況を教えていただけますか?」
NG④:「はい/いいえ」で終わる質問
NG例
「研修はありますか?」
なぜNG?
会話が広がりません。「どのような研修がありますか?」と聞きましょう。
NG⑤:面接中に説明された内容を聞く
なぜNG?
「話を聞いていなかった」と思われます。
NG⑥:ネガティブな質問
NG例
「離職率はどのくらいですか?」
「パワハラはありませんか?」
なぜNG?
不安や疑念を持っている印象を与えます。
NG⑦:答えにくい質問
NG例
「御社の弱みは何ですか?」
「なぜ前任者は辞めたのですか?」
なぜNG?
面接官が答えにくい質問は避けましょう。
NG⑧:プライベートな質問
NG例
「〇〇様は結婚されていますか?」
なぜNG?
面接官個人のプライベートに踏み込むのはNGです。
NG⑨:一度に大量の質問をする
なぜNG?
時間を考慮できていないと思われます。2〜3個が適切です。
NG⑩:他社と比較する質問
NG例
「A社と比べて、御社の強みは何ですか?」
なぜNG?
他社名を出すのは失礼になる場合があります。
面接段階別:逆質問の使い分け
一次面接(人事・現場担当者)
目的:業務内容や社風の理解を深める
おすすめの質問
- 具体的な業務内容
- チーム体制
- 1日の流れ
- 中途入社者の活躍状況
二次面接(部門責任者・マネージャー)
目的:より深い業務理解とキャリアの確認
おすすめの質問
- 部門の目標や課題
- 評価基準
- キャリアパス
- 活躍している人の特徴
最終面接(役員・経営者)
目的:会社のビジョンや自分への期待を確認
おすすめの質問
- 会社の将来ビジョン
- 中途入社者への期待
- 経営者としての想い
- 会社の課題と展望
逆質問で差をつけるテクニック
テクニック①:企業研究の成果を見せる
例
「御社のニュースリリースで〇〇事業への参入を拝見しました。この分野で、今後どのような人材を求められていますか?」
→ 調べてきたことが伝わり、好印象。
テクニック②:面接官の回答をさらに深掘りする
面接官が答えてくれた内容に対して、追加で質問する。
例
面接官:「うちはチームワークを大切にしています」
あなた:「具体的に、チームワークを発揮された事例があれば教えてください」
→ 傾聴力と探究心をアピールできます。
テクニック③:自分の経験とつなげる
例
「前職では〇〇の経験を積んできましたが、御社でその経験を活かせる場面はありますか?」
→ 自然に自己アピールができます。
逆質問チェックリスト
面接前に確認しましょう。
【準備段階】
- [ ] 3〜5個の質問を用意した
- [ ] 面接官の役職に合わせた質問を考えた
- [ ] 企業HPで調べられる内容は除外した
- [ ] 待遇・条件の質問は最小限にした
【質問内容】
- [ ] 入社後をイメージできる質問がある
- [ ] キャリア・成長に関する質問がある
- [ ] 会社・組織に関する質問がある
- [ ] 自己アピールにつながる質問がある
【面接当日】
- [ ] 面接官の名前と役職を覚える
- [ ] 面接中に解決した質問は除外する
- [ ] 回答に対してリアクションする
- [ ] 最後にお礼を伝える
よくある質問(FAQ)
Q1. 逆質問は何個すればいい?
A. 2〜3個が目安です。あまり多すぎると時間オーバーになります。ただし、面接官が「他にもありますか?」と聞いてくれる場合は、追加で質問してもOKです。
Q2. 質問が思いつかないときはどうする?
A. 「十分にご説明いただきましたので、特に疑問点はありません。お話を聞いて、ますます入社したい気持ちが強くなりました」と伝えましょう。無理に質問するより、入社意欲を示す方が好印象です。
Q3. 給与や残業について聞いてもいい?
A. 基本的には避けた方が無難です。どうしても聞きたい場合は、聞き方を工夫しましょう。また、転職エージェント経由なら、エージェントに確認してもらうこともできます。
Q4. 面接官に個人的な質問をしてもいい?
A. 「〇〇様がやりがいを感じる瞬間は?」など、仕事に関する質問はOKです。ただし、プライベートに踏み込む質問はNGです。
Q5. 同じ質問を複数の面接でしてもいい?
A. 面接官が違えば、同じ質問をしても問題ありません。むしろ、複数の視点から回答をもらえるメリットがあります。
まとめ
逆質問で好印象を与えるポイントをおさらいします。
好印象を与える5つのポイント
- 3〜5個は事前に準備しておく
- 面接官の役職に合わせた質問をする
- 「入社後」を想像させる質問をする
- 自己アピールを織り交ぜる
- 回答に対してリアクションする
避けるべきNG逆質問
- 「特にありません」
- 調べればわかる質問
- 待遇・条件ばかりの質問
- 面接中に説明された内容
逆質問は、あなたの志望度と入社意欲を示す最後のチャンスです。
「何か質問はありますか?」と聞かれたとき、自信を持って答えられるよう、しっかり準備しておきましょう。
あなたの面接がうまくいくことを願っています。
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