転職で複数内定をもらったらどうする?正しい選び方と断り方を徹底解説
「内定を2社からもらったけど、どっちを選べばいいんだろう…」
「断り方がわからなくて、ずっと返事を保留してる…」
複数内定は嬉しい悩みですが、だからこそ迷いますよね。
実は、転職成功者の平均内定獲得数は1.6社(マイナビ調査)。
複数内定をもらえた時点で、あなたの転職活動は成功していると言っていい。
でも、ここからが大事。
どの会社を選ぶか、どう断るかで、あなたの未来が変わります。
この記事では、複数内定をもらったときの「選び方」と「断り方」を徹底解説します。
後悔しない決断のために、ぜひ最後まで読んでください。
【データ】転職活動の応募数・内定数の実態
まず、転職活動の「平均」を確認しておきましょう。
転職成功者の平均応募数
| 調査元 | 平均応募数 |
|---|---|
| マイナビ | 8.8社 |
| doda | 32.0社 |
| リクナビNEXT | 7.5社 |
調査によって差がありますが、8〜10社に応募するのが一般的です。
選考の通過率
マイナビエージェントのデータによると:
| 選考段階 | 通過率 |
|---|---|
| 書類選考 | 約30% |
| 一次面接 | 約30% |
| 最終面接 | 約50% |
100人応募すると、書類通過が30人、一次面接通過が9人、内定が4〜5人という計算になります。
平均内定獲得数
| 調査元 | 平均内定数 |
|---|---|
| マイナビ | 1.6社 |
| リクナビNEXT | 1.4社 |
複数内定をもらえるのは、実は少数派。
2社以上から内定をもらえたあなたは、市場価値が高い証拠です。
【基本】複数内定をもらったときの流れ
複数内定をもらったら、以下の流れで対応しましょう。
ステップ①:内定通知を受け取る
内定が出たら、まず感謝の気持ちを伝えます。
「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます」
即答を求められることは少ないので、焦らなくて大丈夫です。
ステップ②:回答期限を確認する
内定承諾の回答期限は企業によって異なります。
| 期限 | 割合 |
|---|---|
| 1週間以内 | 多い |
| 2週間以内 | 一般的 |
| 1ヶ月以内 | 稀(長め) |
期限が明示されていない場合は、必ず確認しましょう。
「恐れ入りますが、ご回答の期限をお教えいただけますでしょうか」
ステップ③:保留が必要なら相談する
他社の選考が残っている場合は、「内定保留」を相談できます。
保留を伝えるポイント
- 正直に「他社の選考が残っている」と伝える
- 「○月○日までにはお返事します」と具体的な日付を提示する
- 感謝の気持ちを忘れずに
保留できる期間の目安
- 1〜2週間:比較的受け入れられやすい
- 3週間以上:難色を示されることも
ステップ④:比較検討して決断する
保留期間中に、冷静に比較検討します(詳しくは後述)。
ステップ⑤:承諾・辞退の連絡をする
決断したら、承諾する企業と辞退する企業の両方に連絡します。
【選び方】複数内定から1社を選ぶ5つの基準
どの会社を選ぶべきか。以下の5つの基準で比較してみましょう。
基準①:転職の軸に合っているか
最も重要なのは「転職の軸」との一致度です。
そもそも、あなたは何のために転職しようと思いましたか?
- 年収を上げたい
- ワークライフバランスを改善したい
- やりたい仕事に挑戦したい
- 成長できる環境に行きたい
- 人間関係をリセットしたい
転職の軸に最も合っている会社を選ぶのが基本です。
基準②:給与・待遇
給与を比較するときは、以下をチェック。
| 項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 基本給 | 手当込みの金額になっていないか |
| ボーナス | 何ヶ月分?業績連動? |
| 残業代 | みなし残業(固定残業)か |
| 昇給実績 | 毎年どれくらい上がるか |
| 福利厚生 | 住宅手当、退職金、保険など |
「年収500万円」だけでは比較できません。内訳が重要。
基準③:仕事内容・キャリアパス
5年後、10年後を想像してみてください。
- この仕事で、どんなスキルが身につく?
- 昇進・昇格のルートは?
- 異動やジョブローテーションは?
- 将来、市場価値は上がる?
目先の条件だけでなく、長期的なキャリアを考えることが大切。
基準④:働き方・ワークライフバランス
| 項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 残業時間 | 月平均何時間?繁忙期は? |
| 休日 | 年間休日数、有給取得率 |
| リモートワーク | 可能か、頻度は |
| 転勤 | あるか、頻度は |
| 時短・育休 | 制度はあるか、取得実績は |
求人票だけでなく、面接で「実態」を確認しましょう。
基準⑤:社風・人間関係
給与や待遇が良くても、社風が合わなければ辛いです。
社風を見極めるヒント
- 面接官の雰囲気はどうだったか
- オフィスの雰囲気はどうだったか
- 口コミサイトの評判はどうか
- 内定後の面談で社員と話せるか
「この人たちと一緒に働きたいか」という直感も大切にしましょう。
【比較表】迷ったときの整理法
複数内定で迷ったら、比較表を作るのが効果的です。
比較表の例
| 項目 | A社 | B社 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 年収 | 500万円 | 450万円 | ★★★ |
| 残業時間 | 月30時間 | 月10時間 | ★★★ |
| 仕事内容 | やりたい仕事 | 経験を活かせる | ★★☆ |
| 成長環境 | ベンチャー | 大手 | ★★☆ |
| 通勤時間 | 50分 | 30分 | ★☆☆ |
| 社風 | ◎ | ○ | ★★★ |
重要度の高い項目で優位な企業を選ぶのが合理的です。
迷いが消えないときは
- どちらを辞退したら後悔するかを考える
- 信頼できる人(家族、友人、エージェント)に相談する
- 可能なら、内定後に職場見学や社員面談をお願いする
完璧な選択はありません。自分で決めて、自分で正解にしていくしかない。
【断り方】内定辞退の正しい方法
内定辞退は電話で連絡するのがベストです。
辞退連絡の基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイミング | 決断したらすぐ(遅くとも3日以内) |
| 方法 | 電話が基本、つながらなければメール |
| 伝えること | 感謝→辞退の旨→お詫び |
電話での断り方(例文)
<電話の流れ>
「お忙しいところ恐れ入ります。先日内定のご連絡をいただきました〇〇と申します。人事ご担当の△△様はいらっしゃいますでしょうか」
(担当者に代わったら)
「この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。大変恐縮ですが、熟慮の結果、今回は内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。選考にお時間をいただいたにもかかわらず、このようなご報告となり、大変申し訳ございません」
(理由を聞かれたら)
「他社からも内定をいただいており、自身のキャリアを考えた結果、そちらに入社することを決めました。御社には大変魅力を感じておりましたが、今回はこのような決断となりました」
メールでの断り方(例文)
電話がつながらない場合は、メールを送ります。
件名:内定辞退のご連絡(〇〇〇〇)
株式会社△△
人事部 ◇◇様
お世話になっております。
先日、内定のご連絡をいただきました〇〇〇〇です。
この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ですが、慎重に検討した結果、
今回は内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴社には大変魅力を感じておりましたが、
自身のキャリアを考えた末の決断でございます。
選考にお時間をいただいたにもかかわらず、
このようなご報告となり、誠に申し訳ございません。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
〇〇〇〇
電話:090-XXXX-XXXX
メール:xxxxx@xxxxx.com
辞退連絡の注意点
| NG行動 | なぜダメか |
|---|---|
| 連絡しない(バックレ) | 社会人として失格、業界は狭い |
| メールだけで済ませる | 誠意が伝わらない |
| 他社の社名や条件を詳しく言う | 失礼、トラブルの元 |
| 嘘の理由を言う | バレるとトラブルに |
| 辞退理由で会社を批判する | 印象が悪い |
誠意を持って、早めに連絡する。これに尽きます。
【実例】複数内定で迷った人のリアルな体験談
成功例①:年収より「成長環境」を選んだ(27歳・男性)
状況
- A社:大手メーカー、年収520万円
- B社:ベンチャー、年収430万円
迷ったポイント
「大手の安定 vs ベンチャーの挑戦」で揺れた。
決め手
B社の面接で「裁量を持って仕事を任せる」と言われたこと。30歳までにスキルを身につけたかったので、B社を選んだ。
結果
入社2年でマネージャーに昇格。年収も500万円を超えた。「成長環境を選んで正解だった」
成功例②:「働き方」を重視して選んだ(32歳・女性)
状況
- A社:年収480万円、残業月40時間
- B社:年収420万円、残業月10時間
迷ったポイント
年収60万円の差は大きい。でも、プライベートも大切にしたい。
決め手
子どもが小さいので、B社の働き方を選んだ。年収は下がるが、時間の余裕ができることを優先。
結果
「年収は下がったけど、子どもとの時間が増えて幸せ。この選択で良かった」
失敗例:「なんとなく」で選んで後悔(29歳・男性)
状況
- A社:知名度のある大手
- B社:地味だが成長中のBtoBメーカー
選んだ理由
「大手の方がなんとなく安心」「周りに言いやすい」
結果
入社後、仕事内容が想像と違った。「もっと比較検討すべきだった。B社の方が自分に合ってたかも」
教訓
「なんとなく」で選ぶと後悔する。転職の軸に立ち返って判断することが大切。
【Q&A】複数内定のよくある質問
Q. 内定の保留は印象が悪い?
A. 印象は多少下がりますが、許容範囲内です。
企業も複数応募が当たり前なのは理解しています。ただし、保留期間は1〜2週間が限度。それ以上は厳しいです。
Q. 内定承諾後に辞退できる?
A. 法的には可能です。内定承諾書に法的拘束力はありません。
ただし、トラブルになりやすいので避けるべき。どうしても辞退する場合は、すぐに連絡し、誠意を持って謝罪しましょう。
Q. 辞退理由は正直に言うべき?
A. 曖昧でOKです。
「他社に決めた」「キャリアを考えた結果」くらいで十分。具体的な社名や条件を言う必要はありません。
Q. 辞退で損害賠償を請求される?
A. ほぼありません。
労働者には「職業選択の自由」があるので、内定辞退で損害賠償を請求されることはまずありません。ただし、入社直前の辞退など、非常識な対応は避けましょう。
Q. 複数内定を全部断って、転職活動を続けてもいい?
A. もちろんOKです。
ただし、「今の内定企業より良い会社が見つかる保証」はありません。内定を手放す前に、本当に納得できないのかよく考えましょう。
【チェックリスト】複数内定の対応
内定をもらったら
| チェック | 項目 |
|---|---|
| ☐ | 感謝の気持ちを伝える |
| ☐ | 回答期限を確認する |
| ☐ | 必要なら保留を相談する |
| ☐ | 労働条件通知書をもらう |
比較検討するとき
| チェック | 項目 |
|---|---|
| ☐ | 転職の軸を再確認する |
| ☐ | 比較表を作る |
| ☐ | 給与の内訳を確認する |
| ☐ | 働き方の実態を確認する |
| ☐ | 長期的なキャリアを考える |
辞退するとき
| チェック | 項目 |
|---|---|
| ☐ | 決断したらすぐ連絡する |
| ☐ | 電話で伝える(つながらなければメール) |
| ☐ | 感謝とお詫びを伝える |
| ☐ | 辞退理由は簡潔に |
まとめ:複数内定は「選ぶ力」が試される
長い記事を読んでいただき、ありがとうございます。
複数内定をもらったときのポイント
- 複数内定は市場価値が高い証拠。焦らず冷静に
- 転職の軸に立ち返って比較する
- 条件だけでなく、長期的なキャリアも考える
- 辞退は早めに、電話で、誠意を持って
- 「正解」はない。自分で決めて、自分で正解にする
複数内定は、あなたの「選ぶ力」が試される場面です。
どの会社を選んでも、その選択を正解にできるかはあなた次第。
後悔しない決断をしてください。
あなたの転職がうまくいくことを願っています。
よくある質問(FAQ)
Q. 内定を「もらいすぎる」ことはある?
A. あります。3社以上から同時に内定が出ると、スケジュール調整が大変になります。選考のペースを揃えるのがコツです。
Q. エージェント経由の場合、辞退はどうする?
A. エージェントに伝えればOK。エージェントが代わりに企業に連絡してくれます。これがエージェントを使う大きなメリットの一つです。
Q. 内定保留中に、他の会社に「決まりました」と嘘をつくのはあり?
A. NGです。バレる可能性がありますし、信頼を失います。正直に「他社の選考が残っている」と伝えましょう。
Q. 辞退した会社に、将来また応募できる?
A. 可能です。ただし、辞退の仕方が悪いと、記録に残っている可能性も。だからこそ、丁寧に辞退することが大切です。


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