「内定が出た!やった!」
…でも、ここからが本当のスタートです。
転職は、内定がゴールではありません。
入社後に活躍できてこそ、転職成功です。
実は、転職後の最初の3ヶ月で、今後の評価や人間関係の土台がほぼ決まると言われています。
この記事では、転職後に「スタートダッシュを決める」ための具体的なやることリストを、入社前〜3ヶ月後まで時系列で解説します。
【時系列】転職後にやることの全体像
まず、転職後にやるべきことの全体像を確認しましょう。
| 時期 | 主なやること |
|---|---|
| 入社前 | 必要書類の準備、業界・企業研究、身だしなみ準備 |
| 入社初日 | 挨拶、顔と名前を覚える、社内ルールの把握 |
| 入社1週間 | 業務の流れを把握、質問しまくる |
| 入社1ヶ月 | 信頼関係の構築、小さな成果を出す |
| 入社3ヶ月 | 独り立ち、評価につながる実績を作る |
【入社前】準備しておくべきこと
内定が出たら、入社日までに以下を準備しましょう。
必要書類を揃える
入社時に提出を求められる書類は、早めに準備しておきましょう。
主な必要書類
| 書類 | 説明 |
|---|---|
| 年金手帳(基礎年金番号通知書) | 前職を退職時にもらえる |
| 雇用保険被保険者証 | 前職を退職時にもらえる |
| 源泉徴収票 | 前職を退職時にもらえる |
| マイナンバー確認書類 | マイナンバーカードまたは通知カード |
| 給与振込先届出書 | 銀行口座情報を記入 |
| 扶養控除等申告書 | 入社時に記入 |
会社によっては追加で必要なもの
- 健康診断書
- 卒業証明書
- 資格証明書のコピー
- 身元保証書
- 入社承諾書(内定承諾書)
入社前に、人事から送られてくる「入社手続きの案内」をよく読んで、漏れなく準備しましょう。
業界・企業・業務の予習をする
面接で聞いた内容を思い出しながら、入社後の業務をイメージしておきましょう。
予習すべきこと
- 会社のHP、IR情報、ニュースリリース
- 業界の最新トレンド
- 競合他社の動向
- 使用するツール・システム(わかる範囲で)
- 専門用語の確認
「入社初日から即戦力」とまではいかなくても、基礎知識があると理解が早くなります。
身だしなみ・持ち物を準備する
初日の印象は重要です。
チェックリスト
- [ ] スーツ・ビジネスカジュアルの準備(会社のドレスコードを確認)
- [ ] 靴・カバンの清潔さ
- [ ] 髪型・身だしなみ
- [ ] 筆記用具・メモ帳
- [ ] 印鑑(必要な場合)
- [ ] 通勤ルートの確認
【入社初日】最高の第一印象を作る
入社初日は、とにかく「好印象」を残すことに集中しましょう。
挨拶は「明るく・ハキハキ・笑顔」で
第一印象は、最初の7秒で決まると言われています。
ポイント
- 明るい表情
- ハキハキとした声
- 相手の目を見る
- お辞儀は丁寧に
自己紹介を求められることも多いので、30秒〜1分程度の自己紹介を準備しておきましょう。
自己紹介の例文
「本日入社しました〇〇と申します。前職では〇〇業界で〇〇の仕事をしておりました。御社では〇〇の業務に携わることになりますが、一日も早く戦力になれるよう頑張りますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします」
ポイント
- 名前を明確に
- 前職の経験を簡潔に
- 意気込みを伝える
- 謙虚な姿勢
顔と名前を覚える努力をする
入社初日は、たくさんの人に紹介されます。
全員を一度で覚えるのは難しいですが、覚えようとする姿勢が大切。
コツ
- 名前を聞いたら復唱する
- 座席表があればメモする
- 特徴と名前を紐づけて覚える
- 翌日以降も名前で呼びかける
社内ルール・システムを把握する
入社初日は、オリエンテーションや社内システムの説明があることが多いです。
確認すべきこと
- 勤怠システムの使い方
- 経費精算のルール
- 社内メール・チャットの使い方
- 会議室の予約方法
- 社内の暗黙のルール(ランチの習慣など)
わからないことは、初日のうちに聞いておきましょう。「新人だから聞ける」のは今だけです。
【入社1週間】「聞きまくる」が最優先
入社1週間は、とにかく質問しまくることが大切です。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
「こんなこと聞いていいのかな…」と遠慮しがちですが、入社1週間は聞き放題の特権期間です。
1ヶ月後、3ヶ月後に「そんなことも知らないの?」と言われる方が恥ずかしい。
質問のコツ
- まずは自分で調べる(5分くらい)
- 調べてもわからなければ聞く
- 相手の忙しさに配慮する(「今お時間よろしいですか?」)
- メモを取る
- 同じ質問は2回しない
業務の流れを把握する
目の前の仕事だけでなく、全体像を把握することを意識しましょう。
把握すべきこと
- 自分の業務が、全体のどの部分を担うか
- 上流・下流の業務は誰が担当しているか
- 関係する部署・担当者は誰か
- 締め切り・納期の感覚
- 優先度の判断基準
「前職では〜」は言わない
転職直後にやりがちなNG行動が、「前職では〜」と比較すること。
「前の会社ではこうだったんですけど」
「前職ではもっと効率的にやってましたよ」
これを言うと、周囲から反感を買います。
新しい会社には、新しい会社のやり方がある。
まずは今のやり方を受け入れ、信頼を得てから改善提案をしましょう。
【入社1ヶ月】信頼関係を築く
入社1ヶ月で意識すべきは、「この人なら任せられる」と思ってもらうこと。
小さな約束を守る
信頼は、小さな約束の積み重ねで作られます。
例
- 「明日までに資料を送ります」→ 必ず送る
- 「10時に会議室に来てください」→ 5分前に到着
- 「確認して連絡します」→ 必ず連絡
約束を守る人は、信頼される。シンプルですが、これが一番大切です。
報連相を徹底する
報連相(報告・連絡・相談)は、社会人の基本ですが、転職直後は特に重要。
ポイント
- 報告は「結論から」先に伝える
- 悪い報告ほど早く
- 迷ったら相談(勝手に判断しない)
- 「念のため共有」を心がける
上司や先輩は、あなたが「何をしているか」を把握できないと不安になります。
こまめな報連相で、安心感を与えましょう。
ランチ・雑談を大切にする
業務以外のコミュニケーションも重要です。
メリット
- 相手の人となりがわかる
- 聞きにくいことも聞ける
- 困ったときに助けてもらいやすくなる
最初の1ヶ月は、誘われたら断らないくらいの気持ちで。
小さな成果を出す
入社1ヶ月以内に、何か一つ「成果」を出すことを意識しましょう。
大きな成果でなくてOK。
例
- 任された仕事を期限通りに完了
- 業務マニュアルの作成・整理
- ミーティングで有益な情報を共有
- 既存資料の改善提案
「この人、ちゃんと貢献してくれてる」と思ってもらえることが大切です。
【入社3ヶ月】独り立ちと実績作り
入社3ヶ月は、試用期間終了のタイミングであることが多いです。
ここまでに「独り立ち」と「評価につながる実績」を目指しましょう。
独り立ちの基準を確認する
「独り立ち」の定義は会社・部署によって異なります。
上司に確認すべきこと
- 「3ヶ月後に、どのレベルまで到達していればOKか?」
- 「今の私に足りていない部分は何か?」
- 「期待されている成果は何か?」
ゴールがわからないと、努力の方向がズレます。早めに確認しましょう。
評価につながる実績を意識する
3ヶ月以内に、具体的な実績を1つ作ることを目指しましょう。
実績の例
- 売上〇〇万円を達成
- 新規顧客を〇件獲得
- 業務効率化で〇時間削減
- プロジェクトを予定通り完了
- マニュアル作成で新人教育を効率化
数字で語れる実績があると、今後のキャリアにもプラスになります。
3ヶ月の振り返りをする
入社3ヶ月のタイミングで、自分自身を振り返りましょう。
振り返りポイント
- 期待されていたことは達成できたか?
- 足りない部分は何か?
- 今後伸ばすべきスキルは何か?
- この会社でやりたいことは何か?
上司との1on1があれば、フィードバックをもらいましょう。
転職後にやりがちな失敗と対策
転職後によくある失敗パターンと、その対策を紹介します。
失敗①:「前職の話」ばかりする
なぜダメか
- 「前の会社の方が良かった」と聞こえる
- 新しい会社を否定している印象
- 周囲から反感を買う
対策
- 聞かれたら答える程度に
- 比較ではなく「今のやり方を学ぶ」姿勢で
失敗②:すぐに改善提案をする
なぜダメか
- 今のやり方を作った人の気持ちを考えていない
- 「偉そう」と思われる
- そもそも事情を理解していない
対策
- まずは3ヶ月、今のやり方を受け入れる
- 信頼を得てから、提案する
- 「教えてください」のスタンスを忘れない
失敗③:一人で抱え込む
なぜダメか
- 問題が大きくなってから発覚する
- 周囲が「何をしているかわからない」と不安に
- 助けを求められない人、と思われる
対策
- 困ったら早めに相談
- 「ここまでやりましたが、ここで詰まっています」と具体的に
- 「できる人」より「頼れる人」を目指す
失敗④:人間関係の構築をサボる
なぜダメか
- 困ったときに助けてもらえない
- 情報が入ってこない
- 孤立して居心地が悪くなる
対策
- ランチ・飲み会は積極的に参加
- 挨拶・雑談を大切に
- 「〇〇さん、ありがとうございます」と名前を呼ぶ
転職後チェックリスト
各時期にやるべきことをチェックリストにまとめました。
【入社前】
- [ ] 必要書類を準備した
- [ ] 業界・企業・業務の予習をした
- [ ] 身だしなみ・持ち物を準備した
- [ ] 通勤ルートを確認した
- [ ] 自己紹介を準備した
【入社初日】
- [ ] 明るく挨拶できた
- [ ] 自己紹介ができた
- [ ] 顔と名前を覚える努力をした
- [ ] 社内ルール・システムを確認した
【入社1週間】
- [ ] わからないことは質問した
- [ ] 業務の全体像を把握した
- [ ] メモを取る習慣をつけた
- [ ] 「前職では〜」を言わなかった
【入社1ヶ月】
- [ ] 小さな約束を守った
- [ ] 報連相を徹底した
- [ ] ランチ・雑談でコミュニケーションを取った
- [ ] 小さな成果を出した
【入社3ヶ月】
- [ ] 独り立ちの基準を達成した
- [ ] 評価につながる実績を作った
- [ ] 3ヶ月の振り返りをした
- [ ] 今後の目標を設定した
よくある質問(FAQ)
Q1. 入社初日は何を持っていけばいい?
A. 筆記用具、メモ帳、印鑑、入社書類(指定されたもの)、身分証明書、銀行口座情報などです。事前に人事から案内があるので、それに従いましょう。
Q2. 入社後、どのくらいで仕事を覚えればいい?
A. 一般的には3ヶ月で「独り立ち」、6ヶ月で「一人前」が目安です。ただし、業種・職種・会社によって異なるので、上司に確認しましょう。
Q3. 転職先の人間関係がうまくいくか不安です
A. 最初の1ヶ月は「聞く姿勢」と「感謝の姿勢」を意識すればOK。ランチや雑談にも積極的に参加しましょう。時間が経てば自然と馴染めます。
Q4. 前職のやり方の方が効率的なとき、どうすればいい?
A. まずは今のやり方を受け入れて、3ヶ月ほど実践してみましょう。その後、信頼関係ができてから「こういうやり方もありますが、いかがでしょう?」と提案するのがベストです。
Q5. 試用期間中にクビになることはある?
A. 法的には、正当な理由がない限り試用期間中の解雇は認められません。ただし、無断欠勤や重大なルール違反があれば別です。普通に仕事をしていれば心配いりません。
まとめ
転職後にやるべきことをおさらいします。
【入社前】
- 必要書類の準備
- 業界・企業研究
- 身だしなみ・持ち物準備
【入社初日】
- 最高の第一印象を作る
- 顔と名前を覚える
- 社内ルールを把握
【入社1週間】
- 質問しまくる
- 業務の全体像を把握
- 「前職では〜」は言わない
【入社1ヶ月】
- 信頼関係を築く
- 報連相を徹底
- 小さな成果を出す
【入社3ヶ月】
- 独り立ち
- 評価につながる実績を作る
- 振り返りと目標設定
転職は、内定がゴールではありません。入社後に活躍できてこそ、転職成功です。
最初の3ヶ月を乗り越えれば、その後はぐっと楽になります。
あなたの新しいスタートがうまくいくことを願っています。
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