「40代で転職なんて、もう遅いのかな…」
「求人に応募しても書類で落とされる…」
「このまま今の会社にいるしかないのかな…」
40代の転職に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
確かに、20代・30代と比べると、40代の転職は簡単ではありません。しかし、「40代だから転職できない」というのは、もはや過去の話です。
厚生労働省の調査(2024年)によると、40代の転職者数は年間約85万人。40代で転職に成功している人は、決して少なくありません。
この記事では、40代の転職市場の現実から、成功する人の特徴、具体的な転職活動の進め方まで、詳しく解説します。
40代だからこそ活かせる強みを理解し、戦略的に転職活動を進めれば、キャリアアップは十分に可能です。
この記事でわかること
- 40代の転職市場の現実とデータ
- 40代で転職に成功する人の5つの特徴
- 40代の未経験転職は可能か?現実と選択肢
- 40代におすすめの転職サービスと活用法
- 40代の転職でよくある失敗パターンと対策
40代の転職市場の現実【データで見る】
まずは、40代の転職市場の現状をデータで確認しましょう。
40代の転職者数は増加傾向
厚生労働省「雇用動向調査」(2024年)によると、40〜44歳の転職入職率は5.7%、45〜49歳は4.9%となっています。
10年前(2014年)と比較すると、40代の転職入職率は約1.5倍に増加。人材不足を背景に、40代の転職市場は確実に広がっています。
40代の転職で年収はどうなる?
リクルートの調査(2024年)によると、40代の転職後の年収変化は以下の通りです。
- 年収アップ:38%
- 年収維持:35%
- 年収ダウン:27%
40代でも約4割の人が年収アップを実現しています。ただし、20代(52%)や30代(46%)と比べると、年収アップの割合は低くなる傾向にあります。
40代の転職活動期間
dodaの調査(2024年)によると、40代の転職活動期間の平均は4.2ヶ月。30代の3.5ヶ月と比べると、やや長くなる傾向があります。
ただし、準備をしっかり行い、戦略的に活動すれば、3ヶ月以内に内定を獲得する人も少なくありません。
40代の転職で成功した人の体験談
Aさん(43歳・営業職→営業マネージャー)
「40歳を過ぎてから、このまま今の会社にいていいのか悩み始めました。給与は頭打ち、昇進の見込みもない。かといって転職する勇気もなく、ずるずると3年が過ぎました。
転機は、同期が転職に成功したこと。彼は42歳でベンチャー企業の営業部長に転職し、年収も200万円アップしたと聞きました。『40代でも転職できるんだ』と目が覚めましたね。
私も転職エージェントに登録して活動を開始。最初は書類選考で落ちることも多かったですが、エージェントのアドバイスで職務経歴書を作り直したら、面接に進めるようになりました。
結果、3ヶ月で中堅メーカーの営業マネージャーとして内定。年収は50万円アップ、何よりマネジメント経験を積めるポジションに就けたことが嬉しかったです。」
Bさん(47歳・経理→経理マネージャー)
「45歳を過ぎての転職は正直不安でした。でも、会社の業績悪化で早期退職を募っていて、このまま残っても将来が見えない状況でした。
転職活動を始めて気づいたのは、『40代は経験で勝負できる』ということ。私は20年以上経理をやってきたので、決算、税務、管理会計まで一通りできます。若手にはない経験値が評価されました。
ただ、落ちた会社もたくさんあります。特に大手企業は年齢でフィルタリングされている印象でした。中堅・中小企業やベンチャーに絞ってからは、面接まで進む確率が上がりました。
最終的に、成長中のIT企業に経理マネージャーとして入社。年齢を重ねても、戦略次第で転職はできると実感しました。」
40代で転職に成功する人の5つの特徴
40代で転職に成功する人には、共通する特徴があります。
特徴1:即戦力となる専門スキルがある
40代の転職では、「入社後すぐに成果を出せるか」が重視されます。
20代のようにポテンシャル採用はほぼありません。これまでのキャリアで培った専門スキルが、そのまま評価対象になります。
成功する人は、自分の専門領域を明確に言語化できています。「営業ができます」ではなく、「法人向けSaaS営業で、年間売上2億円を達成してきました」と具体的に伝えられる人が評価されます。
特徴2:マネジメント経験がある
40代の求人では、プレイヤーとしてだけでなく、マネジメント能力も求められることが多くなります。
チームリーダー、課長、部長など、何らかのマネジメント経験があると、選択肢が大きく広がります。
マネジメント経験がない場合でも、後輩指導やプロジェクトリーダーの経験があれば、それをアピールしましょう。
特徴3:柔軟性がある
40代の採用で企業が懸念するのは、「新しい環境に馴染めるか」「若い上司や同僚とうまくやれるか」という点です。
成功する人は、面接で柔軟性や適応力をアピールしています。「年下の上司でも問題ありません」「新しいやり方を積極的に学びたい」という姿勢を見せることが大切です。
特徴4:転職の軸が明確
「なんとなく今の会社が嫌だから」という理由で転職活動を始めると、うまくいきません。
成功する人は、「なぜ転職するのか」「転職で何を実現したいのか」が明確です。年収アップなのか、やりがいなのか、ワークライフバランスなのか。軸が定まっていると、応募先の選定も面接での受け答えもブレません。
特徴5:プライドを捨てられる
40代になると、これまでのキャリアや実績にプライドを持っている人も多いでしょう。
しかし、転職活動ではそのプライドが邪魔になることがあります。書類選考で落ちる、年収が下がる提示を受ける、年下の面接官に評価される。こうした経験を受け入れられる人が、最終的に良い転職を実現しています。
40代の未経験転職は可能か?
「40代で未経験の業界・職種に転職できるのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
結論:難しいが、不可能ではない
正直に言うと、40代の未経験転職は簡単ではありません。
企業側からすると、40代を未経験で採用するメリットは少ないのが現実です。同じ未経験なら、将来性のある20代を採用したいと考えるのは自然なことです。
ただし、以下の条件に当てはまる場合は、未経験転職の可能性が広がります。
40代でも未経験転職しやすいパターン
①異業界×同職種 業界は変わるが、職種は同じパターン。例えば、メーカーの営業から、IT企業の営業への転職。職種のスキルは活かせるため、比較的ハードルは低くなります。
②人手不足の業界 介護、建設、運輸、警備などの人手不足業界は、40代未経験でも採用されやすい傾向があります。ただし、体力的な負担や給与水準については事前に確認が必要です。
③資格を取得してから転職 宅建、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士など、資格を取得してから転職する方法もあります。未経験でも資格があれば、一定のスキルを証明できます。
④同業界×異職種(関連性あり) 例えば、営業から営業企画、エンジニアからプロジェクトマネージャーなど、これまでの経験を活かせる隣接職種への転職は成功しやすいです。
40代の未経験転職で覚悟すべきこと
未経験転職に挑戦する場合、以下の点は覚悟しておきましょう。
- 年収ダウンの可能性が高い(20〜30%ダウンも珍しくない)
- 転職活動が長期化しやすい(6ヶ月以上かかることも)
- 年下の上司・同僚と働くことになる
- 一からスキルを習得する必要がある
それでも挑戦したい場合は、計画的に準備を進めましょう。
40代の転職活動の進め方
40代の転職活動は、20代・30代とは異なる戦略が必要です。
ステップ1:キャリアの棚卸しをする
まずは、これまでのキャリアを棚卸ししましょう。
- どんな業務を担当してきたか
- どんな成果を出してきたか
- どんなスキルを身につけたか
- マネジメント経験はあるか
40代は経験が豊富な分、「何でもできます」と言いがちです。しかし、それでは強みが伝わりません。自分の専門領域を絞り込み、「この分野なら即戦力になれる」と言えるようにしましょう。
ステップ2:転職の軸を決める
次に、転職で何を実現したいのかを明確にします。
- 年収アップ
- キャリアアップ(役職・ポジション)
- ワークライフバランス
- やりがい・仕事内容
- 会社の安定性
- 勤務地
すべてを満たす転職は難しいため、優先順位をつけましょう。「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を分けておくことが大切です。
ステップ3:転職サービスに登録する
40代の転職では、転職エージェントの活用が特に重要です。
転職エージェントを使うメリット
- 非公開求人にアクセスできる
- 40代向けの求人を紹介してもらえる
- 職務経歴書の添削を受けられる
- 年収交渉を代行してもらえる
40代におすすめの転職エージェントは以下の通りです。
ハイクラス向け
- JACリクルートメント(管理職・専門職に強い)
- ビズリーチ(スカウト型、年収600万円以上向け)
- リクルートダイレクトスカウト(ハイクラス専門)
総合型
- リクルートエージェント(求人数最大)
- doda(サポートが手厚い)
- パソナキャリア(40代以上の支援実績が豊富)
複数のエージェントに登録し、自分に合うアドバイザーを見つけることをおすすめします。
ステップ4:応募書類を作り込む
40代の転職では、職務経歴書の質が書類選考の通過率を大きく左右します。
40代の職務経歴書で意識すべきポイント
- 実績は数字で具体的に示す
- マネジメント経験を明記する
- 直近の経験を詳しく書く(10年以上前の経験は簡潔に)
- 応募先で活かせるスキルを強調する
エージェントに添削してもらい、ブラッシュアップしましょう。
ステップ5:面接対策を徹底する
40代の面接では、以下の点が重視されます。
よく聞かれる質問
- なぜこの年齢で転職を?
- 年下の上司でも問題ないか?
- マネジメント経験について詳しく
- 入社後どのように貢献できるか?
特に「年下の上司でも問題ないか」という質問には、明確にYESと答えましょう。「上司の年齢は関係ありません。会社の方針に従い、チームに貢献します」と伝えれば問題ありません。
ステップ6:条件交渉は慎重に
40代は年収が高いため、企業側も採用に慎重になります。
希望年収を高く設定しすぎると、書類選考の段階で落とされることもあります。まずは「現年収維持」を基準に、交渉の余地を残しておくのがおすすめです。
内定後の条件交渉は、エージェントに任せるのが安心です。
40代の転職でよくある失敗パターン
40代の転職で失敗する人には、共通するパターンがあります。事前に知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
失敗1:プライドが高すぎる
「自分はこれだけの実績がある」「この年収以下では働けない」というプライドが、選択肢を狭めてしまうケースです。
40代の転職市場では、謙虚さも武器になります。「新しい環境で学びたい」という姿勢を見せることが大切です。
失敗2:準備不足で転職活動を始める
「とりあえず求人に応募してみよう」と準備不足で始めると、書類選考で落ち続けて自信を失います。
職務経歴書の作り込み、転職の軸の明確化、業界研究など、準備を整えてから活動を始めましょう。
失敗3:現職を先に辞めてしまう
40代の転職は時間がかかることもあります。収入が途絶えると焦りが生まれ、妥協した転職をしてしまいがちです。
可能な限り、在職中に転職活動を進めましょう。
失敗4:1社に絞って応募する
「この会社しか考えられない」と1社に絞ると、落ちたときのダメージが大きくなります。
40代でも、10〜20社程度は応募するつもりで活動しましょう。
失敗5:年齢を言い訳にする
「40代だから」「この年齢では」と年齢を言い訳にしていると、面接官にも伝わります。
年齢はハンデではなく、経験の証。自信を持って臨みましょう。
40代で転職すべきか迷っている人へ
「転職すべきか、現職に残るべきか」で迷っている方も多いでしょう。
転職を検討すべきケース
- 会社の業績が悪化し、将来性がない
- 給与が頭打ちで、昇給の見込みがない
- やりたい仕事ができず、モチベーションが下がっている
- 人間関係が悪く、心身に影響が出ている
- スキルが活かせず、市場価値が下がっている
現職に残るべきケース
- 不満はあるが、待遇は悪くない
- 転職したい理由が曖昧
- 住宅ローンや教育費など、リスクを取れない状況
- 今の会社でまだできることがある
最終的な判断は自分自身で行うものですが、迷っている場合は、まず転職エージェントに相談してみることをおすすめします。市場価値を客観的に知ることで、判断材料が増えます。
FAQ:40代の転職でよくある質問
Q1:40代の転職は本当に厳しい?
A:20代・30代と比べると難易度は上がりますが、不可能ではありません。厚生労働省のデータによると、40代の転職者数は年間約85万人。即戦力となるスキルがあれば、40代でも転職に成功しています。
Q2:40代で年収アップは可能?
A:可能です。リクルートの調査(2024年)によると、40代の転職者の38%が年収アップを実現しています。特にマネジメント経験があると、年収アップの可能性が高まります。
Q3:40代未経験の転職は無理?
A:難しいですが、条件次第では可能です。異業界×同職種、人手不足業界、資格を活かした転職などであれば、40代未経験でも採用される可能性があります。ただし、年収ダウンは覚悟しておきましょう。
Q4:40代の転職活動はどれくらいかかる?
A:平均で4〜5ヶ月程度です。30代と比べるとやや長くなる傾向がありますが、準備をしっかり行えば3ヶ月以内に内定を獲得する人もいます。
Q5:40代でも転職エージェントは使える?
A:使えます。40代向けの求人も多数あります。特にJACリクルートメントやビズリーチなど、ミドル・ハイクラス向けのサービスは40代の利用者が多いです。
Q6:40代の転職で有利になる資格は?
A:職種によりますが、管理職向けでは中小企業診断士、MBA、PMP(プロジェクトマネジメント)などが評価されます。専門職では、公認会計士、税理士、社会保険労務士、宅建などが有利です。
Q7:40代で転職したら後悔する?
A:準備不足で転職すると後悔するケースがあります。逆に、しっかり準備して自分に合った会社に転職できれば、「もっと早く転職すればよかった」という声が多いです。転職の軸を明確にし、妥協せず活動することが大切です。
まとめ
40代の転職は、20代・30代と比べると難易度は上がります。しかし、「40代だから転職できない」という時代は終わりました。
40代の転職で成功するためのポイントをまとめます。
40代の転職成功のカギ
- 即戦力となる専門スキルを言語化する
- マネジメント経験をアピールする
- 柔軟性・適応力を見せる
- 転職の軸を明確にする
- 転職エージェントを活用する
避けるべき失敗パターン
- プライドが高すぎる
- 準備不足で活動を始める
- 現職を先に辞めてしまう
- 年齢を言い訳にする
40代は、20年以上のキャリアで培った経験・スキル・人脈があります。それは若手にはない、大きな武器です。
自分の強みを正しく理解し、戦略的に転職活動を進めれば、40代でもキャリアアップは十分に可能です。
この記事が、あなたの転職成功の一助となることを願っています。


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