転職の職務経歴書、何を書けばいい?「書くことがない」を解決する方法
「職務経歴書って、履歴書と何が違うの?」
「毎日同じ仕事の繰り返しで、書くことなんてないんだけど…」
転職活動で最初につまずくのが、この職務経歴書だったりしますよね。
私も初めて転職したとき、職務経歴書の存在すら知りませんでした。「履歴書だけじゃダメなの?」って。で、いざ書こうとしたら「え、2枚も3枚も何書くの…」と途方に暮れた記憶があります。
でも大丈夫。コツさえわかれば、誰でも書けます。
この記事では、「書くことがない」と悩んでいる人でも職務経歴書が書けるようになる方法をお伝えします。
職務経歴書と履歴書の違い
まず、基本から押さえましょう。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 目的 | 基本情報を伝える | 仕事の実績を伝える |
| フォーマット | 決まっている | 自由 |
| 分量 | 1枚 | 1〜3枚 |
| 書く内容 | 学歴、職歴、資格 | 具体的な仕事内容、実績 |
簡単に言うと、
- 履歴書 = あなたのプロフィール
- 職務経歴書 = あなたの仕事の実績書
履歴書は「どこで働いていたか」、職務経歴書は「何をしてきたか」を伝えるものです。
職務経歴書の基本構成
職務経歴書は自由形式ですが、基本的な構成はあります。
| セクション | 内容 |
|---|---|
| ① 職務要約 | キャリアの概要を3〜5行で |
| ② 職務経歴 | 会社ごとの詳細 |
| ③ 活かせる経験・スキル | 応募先で使える能力 |
| ④ 自己PR | 強みとエピソード |
この4つを押さえておけば、基本はOKです。
各セクションの書き方
① 職務要約
職務経歴書の冒頭に書く「キャリアの概要」です。
採用担当者は、まずここを読んで「ちゃんと読むかどうか」を決めます。
つまり、ここで興味を持ってもらえないと、その先を読んでもらえない。
結構大事なパートです。
書き方のコツ
- 3〜5行で簡潔に
- 経験年数、職種、強みを入れる
- 応募先に関連する内容を優先
例文
法人営業として5年間、IT機器の提案営業に従事してまいりました。
新規開拓から既存顧客のフォローまで一貫して担当し、
3年連続で年間売上目標を達成。
顧客の課題を丁寧にヒアリングし、最適な解決策を提案する力に自信があります。
今後は、より幅広い商材を扱う環境で営業力を活かしたいと考えております。
② 職務経歴
ここがメインパート。会社ごとに詳細を書いていきます。
書く内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 正式名称で |
| 在籍期間 | 〇年〇月〜〇年〇月 |
| 会社概要 | 業種、従業員数、売上など(1〜2行) |
| 配属・職種 | 部署名、役職 |
| 業務内容 | 具体的に何をしていたか |
| 実績 | 数字で示せると◎ |
例文(営業職)
■ 株式会社〇〇(2019年4月〜2024年3月)
【事業内容】法人向けITソリューションの提供
【従業員数】約500名
【配属】営業部 法人営業課
【役職】一般社員 → 2022年よりチームリーダー
【業務内容】
・中小企業向けクラウドサービスの新規開拓営業
・既存顧客へのアップセル・クロスセル提案
・見積書・提案書の作成
・チームメンバー3名のマネジメント(2022年〜)
【実績】
・2021年度:売上目標達成率 115%(部署内2位)
・2022年度:売上目標達成率 125%(部署内1位)
・2023年度:新規顧客獲得数 前年比130%
・チームの離職率 0%を達成
③ 活かせる経験・スキル
応募先で使えそうなスキルや経験をまとめます。
例文
【活かせる経験・スキル】
■ 法人営業スキル
・新規開拓から既存フォローまで一貫した営業経験(5年)
・提案書作成、プレゼンテーション
■ マネジメントスキル
・チームリーダーとして3名のメンバー管理
・目標設定、進捗管理、1on1面談の実施
■ PCスキル
・Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)
・PowerPoint(提案資料作成)
・Salesforce(顧客管理)
④ 自己PR
最後に自己PRを入れます。
これは履歴書や面接で話す内容と一致させてOK。
例文
【自己PR】
私の強みは「顧客の課題を引き出すヒアリング力」です。
前職では、初回商談で必ず30分以上のヒアリング時間を確保し、
お客様が言葉にできていない潜在的な課題を見つけることを意識していました。
その結果、「他社よりも提案の精度が高い」と評価いただき、
リピート率は80%を超えました。
御社でも、この強みを活かし、
お客様に真に価値ある提案ができる営業として貢献したいと考えております。
「書くことがない」を解決する5つの質問
「毎日同じ仕事の繰り返しで、書けることなんてない…」
その気持ち、めちゃくちゃわかります。
でも、書くことがないんじゃなくて、自分では「当たり前」だと思って気づいていないだけなんです。
以下の5つの質問に答えてみてください。
質問①:1日の仕事の流れは?
朝から夜まで、何をしているか書き出してみてください。
- 朝:メールチェック、タスク整理
- 午前:顧客への電話、資料作成
- 午後:外回り、商談
- 夕方:日報作成、翌日の準備
これを具体的にすると、業務内容になります。
質問②:仕事で工夫したことは?
「普通にやってること」でも、工夫があるはずです。
- ミスを減らすためにチェックリストを作った
- 効率化のためにExcelでテンプレートを作った
- お客様に合わせて説明の仕方を変えた
これ、全部実績として書けます。
質問③:数字で表せることは?
数字があると、説得力がグッと上がります。
- 1日何件の電話対応をしていた?
- 月間何件の処理をしていた?
- 何人の顧客を担当していた?
- 何年間、その業務を続けた?
「1日平均30件の問い合わせ対応」とか、それだけでも立派な実績です。
質問④:「ありがとう」と言われた場面は?
お客様や同僚から「ありがとう」と言われた場面を思い出してください。
それは、あなたが価値を提供した瞬間です。
質問⑤:後輩に教えたことは?
後輩や新人に教えた経験があれば、それも書けます。
「新人教育を担当」「マニュアルを作成」など、立派な実績です。
職種別・職務経歴書のポイント
営業職
| アピールポイント | 例 |
|---|---|
| 売上実績 | 目標達成率、金額、順位 |
| 新規開拓力 | 獲得件数、開拓手法 |
| 顧客数 | 担当社数、規模 |
書き方のコツ
数字で実績を示すのが大事。「頑張りました」ではなく「達成率120%」と書く。
事務職
| アピールポイント | 例 |
|---|---|
| 処理件数 | 月間〇件の請求書処理 |
| 正確性 | ミス率〇%、ノーミス期間 |
| 効率化 | 業務改善の提案・実行 |
書き方のコツ
「地味な仕事で書くことない」と思いがちですが、正確性・スピード・効率化は立派なアピールポイント。
販売・接客職
| アピールポイント | 例 |
|---|---|
| 売上実績 | 個人売上、達成率 |
| 接客件数 | 1日の接客人数 |
| リピート率 | 顧客のリピート率 |
書き方のコツ
「売上」と「顧客満足」の両面でアピールできると強い。
ITエンジニア
| アピールポイント | 例 |
|---|---|
| 開発言語・環境 | Java、Python、AWS等 |
| プロジェクト規模 | 人数、期間、予算 |
| 担当工程 | 設計、開発、テスト等 |
書き方のコツ
技術スキルを箇条書きで整理。プロジェクトは規模感がわかるように。
職務経歴書のNG例
NG①:履歴書のコピペ
2019年4月 株式会社〇〇入社
2024年3月 一身上の都合により退職
これじゃ履歴書と同じ。具体的な業務内容と実績を書きましょう。
NG②:抽象的すぎる
営業として頑張りました。
いろいろな業務を担当しました。
「いろいろ」じゃ何も伝わりません。具体的に。
NG③:ダラダラ長い
職務経歴書は2枚、長くても3枚が目安。
4枚、5枚になると、読んでもらえません。
NG④:自慢話ばかり
実績アピールは大事ですが、「私はすごい」アピールになりすぎないように。
「チームのサポートもあり」など、謙虚さも忘れずに。
職務経歴書を書く流れ
ステップ1:経歴を時系列で書き出す
まず、今までの仕事を時系列で全部書き出します。
- いつ、どこで、何をしていたか
- 細かいことも全部出す
ステップ2:応募先に合わせて取捨選択
全部書くと長くなりすぎるので、応募先に関係ある内容を優先。
関係ない経験は省略してOK。
ステップ3:数字と具体例を追加
「営業をしていました」→「法人営業として年間50社を担当」
数字を入れるだけで、説得力が全然違います。
ステップ4:見やすく整える
- 見出しを入れる
- 箇条書きを使う
- 適度に空白を入れる
びっしり文字だけだと読む気なくなるので、見やすさも大事です。
まとめ:職務経歴書は「仕事の棚卸し」
職務経歴書を書くことは、自分の仕事を振り返る作業でもあります。
「書くことがない」と思っていても、質問に答えていくと「あ、これ書ける」って気づくはずです。
ポイントまとめ
- 職務要約で興味を引く
- 業務内容は具体的に書く
- 実績は数字で示す
- 応募先に合わせて取捨選択
- 見やすさも意識する
最初は時間がかかりますが、一度作ればベースとして使い回せます。
この記事を参考に、まずは書き始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 転職回数が多い場合、全部書くべき?
A. 基本は全部書きます。ただし、古い経歴は簡潔に、直近の経歴を詳しく書くのがコツです。
Q. 短期離職は書かないとダメ?
A. 雇用保険に加入していた職歴は省略できません。短期でも正直に書き、面接で前向きに説明しましょう。
Q. 手書きとパソコン、どっちがいい?
A. 職務経歴書はパソコン一択です。手書きで書く人はほぼいません。
Q. 何枚くらいが適切?
A. 2枚が目安。多くても3枚まで。長すぎると読んでもらえません。


コメント