円満退職の伝え方|上司への切り出し方と例文・タイミング

転職の始め方

「退職したいけど、どう伝えればいいんだろう…」
「上司に言いづらい…引き止められたらどうしよう…」

そんな不安を抱えていませんか?

実は、退職の「伝え方」と「タイミング」を間違えると、円満退職が難しくなります。

逆に、正しい方法で伝えれば、トラブルなく、気持ちよく次のステップに進める

この記事では、上司への退職の伝え方、タイミング、引き止められたときの対処法まで、円満退職のすべてを解説します。


  1. 【データ】退職時のトラブル実態
  2. 【体験談】円満退職できた人・できなかった人
  3. 円満退職とは?なぜ大切なのか
    1. 円満退職の定義
    2. 円満退職が大切な理由
  4. 退職を伝えるタイミング
    1. 退職の何ヶ月前に伝える?
    2. 退職を伝えるベストなタイミング
  5. 退職を伝える順番
    1. 順番①:直属の上司に最初に伝える
    2. 順番②:上司と相談して、周囲への伝え方を決める
    3. 順番③:同僚・後輩に伝える
    4. 順番④:取引先に伝える
  6. 上司への退職の伝え方
    1. 事前にアポイントを取る
    2. 伝える内容を整理しておく
    3. 退職の切り出し方(例文)
  7. 円満退職につながる退職理由の伝え方
    1. 本音と建前を使い分ける
    2. 退職理由の言い換え例
    3. 退職理由別の例文
  8. 引き止められたときの対処法
    1. よくある引き止めパターン
    2. 引き止めへの対処法
  9. 退職届・退職願の書き方
    1. 退職届と退職願の違い
    2. 退職届の例文
    3. 注意点
  10. 円満退職のための引き継ぎ
    1. 引き継ぎの基本
    2. 引き継ぎで準備するもの
    3. 引き継ぎスケジュールの目安
  11. やってはいけない退職のNG行動
    1. NG①:上司より先に同僚に言う
    2. NG②:不満をぶちまける
    3. NG③:引き継ぎを放棄する
    4. NG④:有給消化だけを主張する
    5. NG⑤:SNSで退職を報告する
  12. 円満退職チェックリスト
    1. 【退職を伝える前】
    2. 【退職を伝えるとき】
    3. 【退職日までに】
  13. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 転職先を聞かれたら答えるべき?
    2. Q2. 退職日を延ばしてほしいと言われたら?
    3. Q3. 有給休暇は消化できる?
    4. Q4. 退職を撤回することはできる?
    5. Q5. どうしても辞めさせてもらえない場合は?
  14. まとめ
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【データ】退職時のトラブル実態

まず、退職時のトラブルがどれくらい起きているか見てみましょう。

調査内容割合
退職時に何らかのトラブルがあった約25%
引き止めにあった約50%
退職日を延ばされた約20%
有給消化を拒否された約15%

(出典:エン・ジャパン「退職に関するアンケート調査」2023年)

4人に1人が退職時にトラブルを経験しています。

だからこそ、正しい伝え方とタイミングが重要なんです。


【体験談】円満退職できた人・できなかった人

Aさん(32歳女性・事務職):円満退職できたケース

Aさんは退職を決意してから2ヶ月前に上司に報告。「次が決まっている」とは言わず、「一身上の都合」で伝えました。引き継ぎ資料を丁寧に作成し、最終日まで責任を持って業務を遂行。退職後も前職の同僚とは良好な関係を保っています。

Bさん(28歳男性・営業職):トラブルになったケース

Bさんは退職2週間前に突然報告。「来月から新しい会社に行きます」と伝えたところ、上司は激怒。引き継ぎも不十分なまま退職し、元同僚からは「無責任」と言われる結果に。業界内で悪い噂が広まり、転職後も気まずい思いをしています。

違いは「タイミング」と「伝え方」。この2つを押さえれば、円満退職は難しくありません。


円満退職とは?なぜ大切なのか

円満退職の定義

円満退職とは、会社・上司・同僚との良好な関係を保ったまま退職すること

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉の通り、最後まで誠実に対応して辞めることです。

円満退職が大切な理由

①将来、前職の人と関わる可能性がある

業界内での転職では、前職の人と取引先や同僚として再会することも。関係を壊すと、後で困ることがあります。

②転職先への影響

まれに、転職先が前職に問い合わせをすることも。悪い評判が立つとマイナスです。

③自分の気持ちの問題

後味悪く辞めると、新しいスタートを切りにくい。スッキリ辞めた方が、次に集中できます。


退職を伝えるタイミング

退職の何ヶ月前に伝える?

一般的な目安

タイミング説明
1〜2ヶ月前就業規則で定められている場合が多い
2〜3ヶ月前引き継ぎを丁寧に行いたい場合
最低2週間前民法上の最低ライン(※推奨しない)

ポイント

まず、就業規則を確認しましょう。

「退職の〇日前までに届け出ること」と定められている場合が多いです。

民法上は2週間前でもOKですが、円満退職を目指すなら1〜2ヶ月前に伝えるのがベスト。

退職を伝えるベストなタイミング

①繁忙期を避ける

忙しい時期に退職の話をすると、上司も余裕がなく、話がこじれやすい。

②プロジェクト終了後

大きなプロジェクトの途中で言うと、引き止めが強くなりがち。区切りの良いタイミングを選びましょう。

③月初〜月中

月末は締め作業で忙しいことが多い。月初〜月中の方が落ち着いて話せます。


退職を伝える順番

退職の報告には、正しい順番があります。

順番①:直属の上司に最初に伝える

まず、直属の上司に伝えるのが鉄則。

人事部や、上司の上司に先に言うのはNG。上司の面子を潰すことになり、関係が悪化します。

順番②:上司と相談して、周囲への伝え方を決める

上司に報告した後、「いつ、誰に、どう伝えるか」を相談しましょう。

  • 同僚への報告タイミング
  • 取引先への連絡方法
  • 後任者への引き継ぎスケジュール

順番③:同僚・後輩に伝える

上司の了承を得てから、同僚や後輩に伝えます。

上司より先に同僚に言うと、噂が広まってトラブルの元。

順番④:取引先に伝える

後任者が決まってから、取引先に報告。

「今後は〇〇が担当させていただきます」と、スムーズに引き継ぎできるタイミングで。


上司への退職の伝え方

事前にアポイントを取る

いきなり「退職したいんですけど…」はNG。

「お時間いただきたいのですが、いつがご都合よろしいでしょうか」と、事前にアポイントを取りましょう。

NGなアプローチ

  • 会議室で突然切り出す
  • 他の人がいる場所で言う
  • メールやチャットだけで伝える

伝える内容を整理しておく

面談の前に、以下を整理しておきましょう。

項目内容
退職の意思「退職させていただきたい」と明確に
退職理由ポジティブな言い方で
希望退職日「〇月末を目処に考えています」
引き継ぎへの姿勢「しっかり引き継ぎます」

退職の切り出し方(例文)

基本の伝え方

「突然のお話で恐縮ですが、退職させていただきたいと考えております。

これまで大変お世話になりましたが、今後は〇〇の分野でキャリアを築きたいと考え、この決断に至りました。

〇月末を目処に退職させていただければと思っておりますが、引き継ぎの状況も考慮し、ご相談させてください」

ポイント

  • まず感謝の気持ちを伝える
  • 退職の意思は「明確に」
  • 希望退職日は「相談ベース」で
  • 引き継ぎへの誠意を示す

円満退職につながる退職理由の伝え方

本音と建前を使い分ける

たとえ本音が「人間関係が嫌」「給料が低い」でも、そのまま伝えるのはNG。

ポジティブな言い方に変換しましょう。

退職理由の言い換え例

本音建前(ポジティブな言い換え)
人間関係が悪い「新しい環境でチャレンジしたい」
給料が低い「より専門性を高められる環境で働きたい」
残業が多い「ワークライフバランスを見直したい」
仕事がつまらない「〇〇の分野に挑戦したい」
上司と合わない「新しい視点で成長したい」

退職理由別の例文

①キャリアアップ・スキルアップ

「これまでの経験を活かしながら、〇〇の分野でさらにスキルを磨きたいと考えております。御社では学ぶことが多くありましたが、自分の将来を考え、このタイミングで挑戦することを決めました」

②家庭の事情

「家庭の事情により、働き方を見直す必要が出てまいりました。ご迷惑をおかけしますが、〇月末での退職をお願いしたく、ご相談させてください」

③体調・健康上の理由

「体調を崩しており、医師からも休養を勧められている状況です。誠に申し訳ございませんが、一度立ち止まって療養に専念したいと考えております」


引き止められたときの対処法

退職を伝えると、引き止められることがあります。

よくある引き止めパターン

①待遇改善の提案

「給料を上げるから残ってくれ」
「希望の部署に異動させるから」

②感情に訴える

「君がいなくなると困る」
「今辞められると迷惑だ」

③時期の先延ばし

「あと半年待ってくれ」
「このプロジェクトが終わってから」

引き止めへの対処法

①感謝しつつ、意思を貫く

「お気持ちは大変ありがたいのですが、自分の中で十分に考えた上での決断です」

②条件交渉には乗らない

待遇改善を条件に残っても、一度「辞めたい」と言った事実は残ります。関係がギクシャクする可能性も。

③曖昧な態度を取らない

「考えておきます」と言うと、引き止めが長引きます。

「ありがたいお話ですが、退職の意思は変わりません」と明確に伝えましょう。


退職届・退職願の書き方

退職届と退職願の違い

書類意味用途
退職願退職を「願い出る」書類承認を求める
退職届退職を「届け出る」書類意思を通知する

多くの会社では、どちらも同じように扱われます。会社の指示に従いましょう。

退職届の例文

退職届

私儀、このたび一身上の都合により、
○年○月○日をもって退職いたしたく、
ここに届け出ます。

在職中は格別のご厚情を賜り、
誠にありがとうございました。

○年○月○日
○○部 ○○課
氏名:○○○○(印)

○○株式会社
代表取締役社長 ○○○○ 様

注意点

  • 手書きが基本(会社によってはPCでもOK)
  • 白い便箋に黒ボールペンで
  • 退職理由は「一身上の都合」でOK
  • 封筒に入れて提出

円満退職のための引き継ぎ

引き継ぎの基本

円満退職のカギは、丁寧な引き継ぎ

「この人がいなくなっても大丈夫」と思ってもらえることが大切です。

引き継ぎで準備するもの

①業務マニュアル

日常業務の手順をまとめた資料。後任者が困らないように。

②取引先・関係者リスト

担当している取引先や、社内の関係者の連絡先リスト。

③進行中の案件リスト

現在進行中の案件の状況、次のステップ、注意点をまとめる。

④過去のトラブル事例

過去に起きたトラブルと、その対処法をまとめておくと役立つ。

引き継ぎスケジュールの目安

退職までやること
1ヶ月前引き継ぎ資料作成、後任者への説明開始
2週間前後任者との並走、取引先への挨拶
1週間前最終確認、残務処理
最終日社内挨拶、備品返却

やってはいけない退職のNG行動

NG①:上司より先に同僚に言う

噂が広まり、上司の信頼を失います。必ず上司が最初。

NG②:不満をぶちまける

「この会社は〇〇がダメ」と言っても、何も良いことはありません。

NG③:引き継ぎを放棄する

「どうせ辞めるから」と引き継ぎを適当にすると、後で悪い評判が立ちます。

NG④:有給消化だけを主張する

権利として有給消化は認められますが、引き継ぎとの調整は必要。

「引き継ぎを完了させた上で、残りの有給を消化させてください」が正しい姿勢。

NG⑤:SNSで退職を報告する

正式に退職が決まるまで、SNSでの報告は控えましょう。


円満退職チェックリスト

【退職を伝える前】

  • [ ] 就業規則で退職の申し出期限を確認した
  • [ ] 退職理由をポジティブに言い換えた
  • [ ] 希望退職日を決めた
  • [ ] 上司との面談のアポイントを取った

【退職を伝えるとき】

  • [ ] 直属の上司に最初に伝えた
  • [ ] 感謝の気持ちを伝えた
  • [ ] 退職の意思を明確に伝えた
  • [ ] 引き継ぎへの誠意を示した

【退職日までに】

  • [ ] 引き継ぎ資料を作成した
  • [ ] 後任者に引き継ぎを行った
  • [ ] 取引先に挨拶した
  • [ ] 社内の関係者に挨拶した
  • [ ] 備品・書類を返却した

よくある質問(FAQ)

Q1. 転職先を聞かれたら答えるべき?

A. 答える義務はありません。「まだ決まっていません」「今後検討します」とはぐらかしてもOK。特に競合他社の場合は、伝えない方が無難です。

Q2. 退職日を延ばしてほしいと言われたら?

A. 転職先の入社日に影響がなければ、ある程度は応じてもいいでしょう。ただし、「〇月〇日までが限界です」と期限を明確に伝えることが大切です。

Q3. 有給休暇は消化できる?

A. 法律上、有給休暇は労働者の権利です。ただし、引き継ぎとの調整は必要。「引き継ぎを終えた後、残りの有給を消化させてください」と伝えましょう。

Q4. 退職を撤回することはできる?

A. 法的には、会社が承諾する前であれば撤回可能です。ただし、一度「辞める」と言った後の撤回は、信頼関係に影響する可能性があります。

Q5. どうしても辞めさせてもらえない場合は?

A. 退職は労働者の権利です。民法上、2週間前に申し出れば退職できます。退職届を内容証明で送る、労働基準監督署に相談するなどの手段もあります。


まとめ

円満退職のポイントをおさらいします。

退職を伝えるタイミング

  • 就業規則を確認(一般的には1〜2ヶ月前)
  • 繁忙期・プロジェクト途中を避ける

退職を伝える順番

  1. 直属の上司
  2. 同僚・後輩(上司の了承後)
  3. 取引先(後任者決定後)

退職の伝え方

  • 事前にアポイントを取る
  • 感謝の気持ち+明確な意思表示
  • 退職理由はポジティブに

円満退職のカギ

  • 丁寧な引き継ぎ
  • 最後まで誠実な対応
  • 立つ鳥跡を濁さず

円満退職は、次のキャリアへの最高のスタートです。

お世話になった会社に感謝しつつ、気持ちよく次のステップに進みましょう。

あなたの転職がうまくいくことを願っています。


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