「転職したけど、思っていた会社と違った…」
「試用期間中だけど、もう辞めたい…」
そんな悩みを抱えていませんか?
結論から言うと、試用期間中でも退職は可能です。
ただし、辞める前に知っておくべきことがあります。
この記事では、試用期間中に退職する方法、注意点、そして「本当に辞めるべきか」の判断基準まで徹底解説します。
【データ】試用期間中に退職する人の実態
まず、試用期間中の退職がどれくらいあるのか見てみましょう。
| 調査内容 | 割合 |
|---|---|
| 試用期間中に退職した経験がある | 約15% |
| 入社3ヶ月以内に「辞めたい」と思った | 約40% |
| 試用期間中の退職を後悔している | 約30% |
| 試用期間中の退職を正解だったと感じている | 約60% |
(出典:リクナビNEXT「転職後の定着に関する調査」2023年)
試用期間中に辞めた人の6割は「辞めて正解だった」と感じています。
ただし、3割は後悔しているのも事実。だからこそ、冷静な判断が必要です。
【体験談】試用期間で辞めた人のリアル
Aさん(26歳女性・事務職):辞めて正解だったケース
Aさんは入社2週間で「おかしい」と感じました。求人票には「残業月10時間」と書いてあったのに、実際は毎日22時まで。先輩に聞くと「求人票はいつも嘘」と言われ、試用期間1ヶ月で退職を決意。転職活動を再開し、2ヶ月後に今の会社に入社。「あのまま続けていたら体を壊していた」と振り返ります。
Bさん(29歳男性・営業職):もう少し続ければよかったケース
Bさんは入社1ヶ月で「仕事が合わない」と感じ、試用期間中に退職。しかし転職活動は難航し、「試用期間で辞めた理由」を面接で何度も聞かれました。半年後にようやく転職できたものの、「もう少し頑張れば慣れたかもしれない。焦りすぎた」と後悔しています。
違いは「辞める理由が会社の問題か、自分の適応の問題か」。この見極めが重要です。
試用期間とは?
試用期間の基本
試用期間とは、会社と労働者がお互いの適性を見極めるための期間。
会社側:「この人は自社に合っているか」を確認
労働者側:「この会社で働き続けられるか」を確認
試用期間の長さ
一般的な試用期間の長さは以下の通りです。
| 期間 | 割合 |
|---|---|
| 3ヶ月 | 最も多い |
| 6ヶ月 | 次に多い |
| 1ヶ月 | 短い場合 |
| 1年 | 長い場合 |
法律上の上限は定められていませんが、3〜6ヶ月が一般的です。
試用期間中の雇用形態
試用期間中でも、正社員として雇用されている場合がほとんど。
「試用期間=不安定な立場」ではありません。法的には通常の労働者と同じ権利があります。
試用期間中に退職できる?
結論:退職できる
試用期間中でも、退職する権利は労働者にあります。
民法第627条により、退職の申し出から2週間後に退職できます。
退職のルール
| 状況 | ルール |
|---|---|
| 民法上 | 2週間前に申し出れば退職可能 |
| 就業規則 | 1ヶ月前など、会社のルールがある場合も |
| 円満退職 | なるべく就業規則に従うのが望ましい |
ポイント
試用期間中だからといって、「即日退職OK」というわけではありません。
できるだけ就業規則に従い、会社に迷惑をかけない形で辞めましょう。
試用期間中に辞めたくなる理由
よくある退職理由
①仕事内容が聞いていた話と違う
「面接では企画職と聞いていたのに、実際は営業だった」など。
②人間関係が合わない
上司や同僚との相性が悪い、パワハラがあるなど。
③社風・文化が合わない
「体育会系すぎる」「ワンマン社長で意見が通らない」など。
④待遇・条件が違う
「残業なしと聞いていたのに、毎日残業」「給与が聞いていた金額と違う」など。
⑤体調を崩した
ストレスや環境の変化で、心身に不調が出た場合。
試用期間中に辞める前に考えるべきこと
「辞めたい」と思っても、すぐに決断するのは危険。
まずは以下を確認しましょう。
①「辛いのは今だけ」かもしれない
転職直後は、誰でもストレスを感じるもの。
慣れるまでの目安
- 1ヶ月:まだ慣れない
- 3ヶ月:少し見えてくる
- 6ヶ月:判断できる
「まだ1ヶ月しか経っていない」なら、もう少し様子を見る価値があるかも。
②「辞めたい理由」は解決できないか?
退職理由が解決可能な問題なら、まずは行動してみましょう。
例
- 仕事内容が違う → 上司に相談して、担当業務を調整してもらう
- 残業が多い → 業務の効率化、上司への相談
- 人間関係 → 部署異動の相談
③次の仕事のあては?
試用期間中に辞めると、次の転職に影響する可能性があります。
「また短期間で辞めるのでは?」と思われるリスク。
次の仕事のあてがない場合は、転職活動と並行して判断しましょう。
試用期間中の退職が「アリ」なケース
以下のケースでは、試用期間中でも退職すべきです。
①法令違反がある
- 残業代が支払われない
- 有給休暇が取れない
- ハラスメントが横行している
ブラック企業に長くいる必要はありません。
②明らかに契約と違う
「正社員採用と言われたのに、実際は契約社員だった」など、明らかな契約違反は辞める理由になります。
③心身に影響が出ている
ストレスで眠れない、食欲がない、動悸がする…
健康より大切な仕事はありません。無理をせず、退職を検討しましょう。
④キャリアに合わない
「この仕事を続けても、自分のキャリアにプラスにならない」と明確に判断できる場合。
【チェックリスト】試用期間中に辞めるべきか判断する
以下の項目をチェックしてみてください。
辞めるべき可能性が高い(3つ以上当てはまったら検討)
- □ 労働条件が求人票・契約書と明らかに違う
- □ サービス残業やパワハラなど、法令違反がある
- □ 体調を崩している(眠れない、食欲がない、涙が出る等)
- □ 出勤前に強い吐き気や動悸がある
- □ 3ヶ月後も改善する見込みがない
- □ 相談できる人が社内に誰もいない
もう少し様子を見るべき(2つ以上当てはまったら継続検討)
- □ まだ1ヶ月未満で、仕事を覚えきれていない
- □ 辛いのは「慣れていないから」の可能性がある
- □ 上司や人事に相談したら改善されるかもしれない
- □ 次の転職先のあてがない
- □ 辞めたい理由が「なんとなく合わない」程度
判断のポイント:「会社の問題」なら辞める、「自分の適応の問題」ならもう少し様子を見る
試用期間中の退職方法
ステップ①:就業規則を確認する
退職の申し出期限(1ヶ月前、2週間前など)を確認しましょう。
ステップ②:直属の上司に伝える
伝え方の例
「お時間をいただきありがとうございます。大変申し訳ないのですが、退職させていただきたいと考えております。
入社してから〇〇の点で自分には合わないと感じ、このまま続けてもご迷惑をおかけすることになると判断しました。
短い期間で申し訳ございませんが、〇月〇日での退職をお願いできればと思います」
ポイント
- 申し訳ないという姿勢を見せる
- 退職理由は簡潔に(詳細を言いすぎない)
- 具体的な退職希望日を伝える
ステップ③:退職届を提出する
口頭で了承を得たら、正式に退職届を提出します。
ステップ④:引き継ぎ・退職手続き
短期間でも、担当した業務があれば引き継ぎましょう。
最終日に必要な書類(離職票、源泉徴収票など)の受け取り方法も確認。
試用期間中の退職理由の伝え方
本音を言いすぎない
「人間関係が最悪」「この会社はブラック」など、本音をぶつけても良いことはありません。
当たり障りのない理由でOK
使いやすい退職理由
- 「仕事内容が自分の適性と合わないと感じた」
- 「入社前のイメージと実際の業務にギャップがあった」
- 「家庭の事情で、働き方を見直す必要が出た」
- 「体調を崩してしまい、療養が必要になった」
退職理由の例文
①適性が合わない場合
「入社してから業務に携わる中で、自分の適性とは異なると感じました。このまま続けてもご迷惑をおかけすることになるため、早い段階でお伝えしようと思いました」
②体調不良の場合
「入社後、環境の変化もあり体調を崩してしまいました。医師からも休養を勧められており、一度立ち止まりたいと考えております」
試用期間中の退職で注意すべきこと
①履歴書への記載
3ヶ月以内なら書かなくてもOKという意見もありますが、原則としてすべての職歴は記載すべきです。
空白期間を聞かれたときに嘘をつくと、後で問題になる可能性があります。
②転職活動への影響
短期離職は、次の転職でマイナスに見られる可能性があります。
対策
- 辞めた理由を前向きに説明できるようにする
- 「次は長く働きたい」という意思を示す
- 自分の適性を理解した上で応募していることをアピール
③失業保険について
試用期間中の退職でも、条件を満たせば失業保険を受給できます。
受給条件
- 雇用保険に加入していた期間が12ヶ月以上(自己都合)
- 会社都合なら6ヶ月以上
ただし、試用期間だけでは条件を満たさないことが多いです。
試用期間中に解雇されることはある?
会社からの解雇は可能だが、制限がある
試用期間中でも、正当な理由がなければ解雇できません。
正当な理由の例
- 経歴詐称が発覚した
- 無断欠勤を繰り返した
- 重大な規律違反があった
- 著しく能力が不足している
「なんとなく合わない」程度では、解雇は認められません。
試用期間満了時の「本採用拒否」
試用期間終了時に「本採用しない」と言われるケースもあります。
これも解雇と同じ扱いであり、正当な理由が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 試用期間中に辞めたら、次の転職に不利?
A. 短期離職はマイナスに見られる可能性はあります。ただし、理由をきちんと説明できれば大丈夫。「自分に合わない環境だと早めに判断し、次では長く働きたい」と伝えましょう。
Q2. 試用期間中でも有給休暇はもらえる?
A. 有給休暇は、入社から6ヶ月継続勤務し、8割以上出勤した場合に付与されます。試用期間中でも条件を満たせばもらえますが、通常は6ヶ月経たないと発生しません。
Q3. 試用期間中の退職、何日前に言えばいい?
A. 就業規則で定められた期間(多くは2週間〜1ヶ月前)を確認しましょう。民法上は2週間前で問題ありませんが、円満退職のためには就業規則に従うのがベスト。
Q4. 試用期間中の給料は通常より低い?
A. 会社によっては、試用期間中は本採用後より給料が低く設定されていることがあります。これ自体は違法ではありませんが、最低賃金を下回ることはできません。
Q5. 試用期間中に退職したら、社会保険はどうなる?
A. 試用期間中でも社会保険に加入していれば、退職後は国民健康保険・国民年金への切り替え、または転職先の社会保険に加入することになります。
まとめ
試用期間中の退職についておさらいします。
試用期間中でも退職できる
- 退職は労働者の権利
- 民法上は2週間前に申し出ればOK
- できれば就業規則に従う
辞める前に考えるべきこと
- 「辛いのは今だけ」かもしれない
- 解決できる問題ではないか?
- 次の仕事のあてはあるか?
退職すべきケース
- 法令違反(ハラスメント、残業代未払いなど)
- 明らかな契約違反
- 心身に影響が出ている
退職の伝え方
- 直属の上司に直接伝える
- 申し訳ないという姿勢
- 退職理由は簡潔に
試用期間は「お互いを見極める期間」です。
「合わない」と判断したら、早めに決断することも大切。
ただし、感情的にならず、次のキャリアを見据えて冷静に判断しましょう。
あなたが自分に合った職場に出会えることを願っています。

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