「退職したけど、失業保険っていつからもらえるの…」 「自己都合だと2ヶ月待たないとダメって本当…?」 「手続きって何から始めればいいか分からない…」
退職前後は不安でいっぱいですよね。失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、正しく手続きすれば退職後の生活を支えてくれる心強い制度です。
この記事では、厚生労働省・ハローワークの公式情報をもとに、失業保険の受給条件から金額の計算方法、手続きの流れ、受給中のルールまで網羅的に解説します。
この記事で分かること
- 失業保険をもらえる人の条件(雇用保険の加入要件)
- 自分がいくら・何日もらえるかの計算方法
- ハローワークでの手続きの流れと必要書類
- 受給中のアルバイト・求職活動のルール
- 2025年4月の制度改正(給付制限の短縮)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではありません。最終判断はハローワーク窓口でご確認ください。
結論:失業保険で一番大事なのは「最初の2週間」に動くこと
失業保険は「退職したら自動的にもらえる」ものではありません。自分でハローワークに行き、求職申込みをして初めて受給資格が得られます。
そして、この手続きは早ければ早いほど有利です。理由は3つあります。
- 受給開始が早まる:手続きした日から「待期期間7日」がスタートするため、遅れた分だけ初回振込も遅れる
- 受給期間に制限がある:原則「退職日の翌日から1年間」しか受給できない。手続きが遅れると、もらえるはずの日数を消化しきれない可能性がある
- 離職票の確認ができる:退職理由が「会社都合」か「自己都合」かで給付内容が大きく変わる。早めに確認すれば、異議申立ての時間も確保できる
今日やることチェック(3つ)
退職が決まったら、まずこの3つを確認してください。
- [ ] 離職票の届く時期を会社に確認する(退職後10日〜2週間が一般的な目安ですが、会社により異なります)
- [ ] 住所地を管轄するハローワークを調べる(ハローワーク所在地一覧)
- [ ] 必要書類を準備する(マイナンバーカード、写真、通帳など)
離職票が届いたら、できるだけ早くハローワークへ行きましょう。届いてから2週間以内を目安にすると手続きがスムーズですが、届くタイミングは会社によって異なるため、届き次第早めに動くのがベストです。
失業保険とは?もらえる人の条件を最短で整理
失業保険(雇用保険の基本手当)は、雇用保険に加入していた人が失業した際に、再就職活動中の生活を支えるために支給される給付金です。
受給するには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
条件1:雇用保険に一定期間加入していたこと
雇用保険の加入要件(超ざっくり)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
パート・アルバイトでも、上記を満たせば雇用保険に加入しています。給与明細で「雇用保険料」が引かれていれば加入済みです。
受給に必要な被保険者期間
| 離職理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 自己都合退職(一般離職者) | 離職前2年間に通算12ヶ月以上 |
| 会社都合・特定理由(倒産・解雇・雇止め等) | 離職前1年間に通算6ヶ月以上 |
「1ヶ月」としてカウントされるのは、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金支払基礎時間数が80時間以上ある月です。
条件2:「働ける状態」にあること(就職する意思と能力)
雇用保険法上の「失業」とは、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態を指します。
以下に該当する場合は、「働ける状態」とみなされず、すぐには受給できません。
- 病気やけがで就職できない
- 妊娠・出産・育児のため働けない
- 親族の介護に専念している
- 定年退職後しばらく休養する予定
- 学業に専念する
- 家事に専念し就職の意思がない
- 自営業を始めた(または準備中)
ただし、病気・妊娠・介護などで「すぐには働けないが、状況が変われば働きたい」という場合は、受給期間の延長申請ができます。最長3年間(通常の1年と合わせて最大4年間)延長可能です。
条件3:ハローワークで求職申込みをすること
失業保険は「退職したら届く」ものではありません。住所地を管轄するハローワークに行き、「求職申込み」と「離職票の提出」をして、受給資格の決定を受ける必要があります。
退職理由で何が変わる?(会社都合/自己都合の扱い)
退職理由によって、給付制限の有無と給付日数が大きく変わります。
| 区分 | 主な該当例 | 給付制限 | 給付日数 |
|---|---|---|---|
| 特定受給資格者(会社都合) | 倒産、解雇、退職勧奨、賃金未払い、過度な残業 | なし | 優遇(最大330日) |
| 特定理由離職者 | 雇止め、病気・けが、妊娠・出産、配偶者の転勤 | なし | 会社都合と同等(時限措置) |
| 一般離職者(自己都合) | 転職、キャリアチェンジ、人間関係 | あり(原則1〜2ヶ月) | 90〜150日 |
特定受給資格者に該当する主なケース
- 倒産(破産、民事再生、会社更生等)、事業所の廃止
- 解雇(懲戒解雇を除く)
- 退職勧奨を受けた
- 労働条件が契約時の内容と著しく違っていた
- 賃金の3分の1超が支払期日までに支払われなかった
- 賃金が85%未満に低下した
- 月100時間超の時間外労働があった、または3ヶ月連続で月45時間超
退職理由は離職票-2に記載されます。会社が記載した理由に納得できない場合は、ハローワークで異議を申し立てることができます。
いくらもらえる?計算の考え方
失業保険でもらえる金額は、基本手当日額 × 所定給付日数で決まります。
基本手当日額の考え方(仕組み)
基本手当日額は、以下の計算式で算出されます。
ステップ1:賃金日額を計算する
賃金日額 = 離職前6ヶ月間に毎月きまって支払われた賃金の合計 ÷ 180
「毎月きまって支払われた賃金」には、基本給、残業代、通勤手当、住宅手当などが含まれます。賞与(ボーナス)や退職金は含みません。
ステップ2:給付率をかける
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50%〜80%)
給付率は年齢と賃金日額によって変わります。賃金日額が低いほど高い給付率(80%)が適用され、高いほど低い給付率(50%、60歳以上は45%)になります。
基本手当日額の上限・下限(令和7年8月1日〜)
基本手当日額には上限と下限があり、毎年8月1日に改定されます。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,510円 | 7,255円 |
| 30〜44歳 | 16,110円 | 8,055円 |
| 45〜59歳 | 17,740円 | 8,870円 |
| 60〜64歳 | 16,940円 | 7,623円 |
| 下限(全年齢共通) | 3,014円 | 2,411円 |
受給期間(何日もらえるか)の決まり方
給付日数は、退職理由・年齢・被保険者期間の組み合わせで決まります。
一般離職者(自己都合)の所定給付日数
年齢による違いはなく、被保険者期間のみで決まります。
| 被保険者期間 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|
| 全年齢共通 | 90日 | 120日 | 150日 |
特定受給資格者(会社都合)の所定給付日数
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30〜35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
特定理由離職者(雇止め等)も、2027年3月31日までの時限措置として、特定受給資格者と同じ日数が適用されます。
具体例:月収25万円・35歳・自己都合退職・勤続8年の場合
あくまで計算の考え方を示す例です。実際の金額は個人の状況により異なります。
計算例
- 賃金日額:25万円 × 6ヶ月 ÷ 180 = 約8,333円
- 基本手当日額:約8,333円 × 給付率(この水準では約60%前後)= 約5,000円(目安)
- 所定給付日数:90日(自己都合・勤続8年)
- 総支給額の目安:約5,000円 × 90日 = 約45万円
正確な金額はハローワークで確認してください。
手続きの流れ(ハローワークでやることを時系列で)
失業保険の手続きは、以下の流れで進みます。
退職 → 離職票が届く(一般的には10日〜2週間程度、会社により前後)
→ ハローワークで求職申込み・受給資格決定
→ 待期期間(7日間)
→ 給付制限期間(自己都合の場合)
→ 雇用保険説明会
→ 失業認定日(4週間ごと)
→ 振込
①必要書類チェックリスト
ハローワークに行く前に、以下の書類を準備してください。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 離職票-1・離職票-2 | 会社から届く(届かない場合は会社に督促) |
| 個人番号確認書類 | マイナンバーカード、通知カード+身元確認書類など |
| 身元確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなど |
| 写真2枚 | 縦3.0cm × 横2.4cm、正面上半身 |
| 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード | 振込先口座の確認用 |
②求職申込み〜受給説明会
- 求職申込み:ハローワークの窓口で「求職申込書」を記入し、離職票を提出します。受付時間は平日8:30〜17:15ですが、混雑することが多いため時間に余裕を持って来所してください。
- 受給資格の決定:離職理由や被保険者期間が確認され、受給資格が決定されます。
- 雇用保険説明会:受給資格決定後、指定された日時に説明会に参加します。ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。
③待期・給付制限・認定日(ここを誤解しやすい)
待期期間(7日間)
受給資格が決定した日から7日間は「待期期間」として、すべての離職者に適用されます。この期間は基本手当が支給されません。
給付制限期間(自己都合の場合)
自己都合退職の場合、待期期間の後にさらに「給付制限期間」があります。
| 離職日 | 給付制限期間 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降に離職 | 原則1ヶ月 |
| 2025年3月31日以前に離職 | 原則2ヶ月 |
| 5年間で3回以上の自己都合退職 | 3ヶ月 |
【2025年4月改正】給付制限が2ヶ月→1ヶ月に短縮
2025年4月1日以降に離職した自己都合退職者は、給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されました。これにより、初回振込までの期間が約1ヶ月早まります。
さらに、離職日前1年以内または離職期間中に教育訓練給付金の対象講座を受講していた場合は、給付制限自体が解除され、待期期間終了後すぐに基本手当を受給できます。
失業認定日
4週間に1回、指定された「認定日」にハローワークに出向き、「失業認定申告書」を提出します。認定対象期間中の求職活動実績や就労状況を申告し、失業状態であることを確認してもらいます。
求職活動実績は原則2回以上と案内されることが多いですが、初回認定や給付制限期間中など、状況によって必要回数が異なる場合があります。窓口の指示に従ってください。
④初回振込はいつ?(条件による目安)
初回振込までの期間は、退職理由や手続きのタイミングによって異なります。以下はあくまで目安であり、金融機関や手続き状況によって前後します。
| 退職理由 | 初回振込までの目安 |
|---|---|
| 会社都合(特定受給資格者) | 約1ヶ月 |
| 自己都合(2025年4月以降離職) | 約2ヶ月 |
| 自己都合(2025年3月以前離職) | 約2.5〜3ヶ月 |
認定日に失業認定を受けた後、数営業日〜1週間程度で指定口座に振り込まれます(金融機関により異なります)。
受給中に「やっていいこと/ダメなこと」(最重要)
受給中のルールを知らないと、意図せず不正受給になってしまうことがあります。特にアルバイトと求職活動のルールは必ず理解しておきましょう。
アルバイト・副業はOK?申告は?
受給中でもアルバイトは可能ですが、条件と申告義務があります。
アルバイトできる条件
- 週の所定労働時間が20時間未満
- 31日以上の雇用見込みがない(単発・短期のみ)
上記を超えると「就職」とみなされ、受給資格を失う可能性があります。
申告のルール
すべての就労(アルバイト、内職、手伝い、無給のボランティア含む)は、認定日に必ず申告する義務があります。
| 就労時間 | 扱い | 基本手当への影響 |
|---|---|---|
| 1日4時間以上 | 「就労」 | その日は不支給(後日に繰り越し) |
| 1日4時間未満 | 「内職・手伝い」 | 収入額により減額される場合あり |
収入による減額の計算(1日4時間未満の場合)
収入 − 控除額(1,316円)+ 基本手当日額 > 賃金日額の80%
この計算で賃金日額の80%を超える場合、超えた分が減額されます。
転職活動の実績は何をすれば良い?
認定対象期間中に必要な求職活動実績として認められるもの・認められないものがあります。
認められる求職活動の例
- 求人への応募(ハローワーク、転職サイト、エージェント経由いずれも可)
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- ハローワーク主催のセミナー・講習への参加
- 許可を受けた民間職業紹介事業者での相談・セミナー
- 再就職に役立つ資格試験の受験
認められない活動の例
- 求人情報の閲覧のみ
- 転職サイトへの登録のみ
- 履歴書・職務経歴書の作成のみ
- ブランクが不安な人向け|転職活動の始め方
内定・入社が決まったらいつ報告?
内定が出たら、次の認定日を待たずに速やかにハローワークに報告してください。入社日が決まっていなくても、内定の時点で報告が必要です。
早期に再就職が決まった場合、再就職手当を受け取れる可能性があります(後述)。
よくあるNG例(不正受給になるケース)
以下は不正受給として処分の対象になります。
- アルバイトや就労をしたのに申告しなかった
- 実際には行っていない求職活動を申告した
- 自営業を始めた(または準備を始めた)のに申告しなかった
- 就職が決まったのに届け出ずに受給を続けた
- 病気やけがで働けない状態なのに受給を続けた
不正受給の罰則(3倍返し)
不正受給が発覚すると、以下のペナルティが課されます。
- 不正受給以降の支給停止
- 不正に受給した金額の全額返還
- 返還額の最大2倍の納付命令(合計で受給額の3倍)
- 延滞金の加算
- 悪質な場合は詐欺罪での刑事告発
再就職手当で早期就職がお得に
所定給付日数を一定以上残して再就職した場合、「再就職手当」として一時金が支給されます。
支給額の計算
再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率
| 支給残日数 | 給付率 |
|---|---|
| 所定給付日数の2/3以上残して就職 | 70% |
| 所定給付日数の1/3以上残して就職 | 60% |
例:基本手当日額5,000円、所定給付日数90日、残日数60日(2/3以上)の場合
5,000円 × 60日 × 70% = 210,000円
主な支給要件
- 待期期間(7日間)満了後の就職であること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていないこと
- 雇用保険の被保険者として雇用されること
- 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
自己都合退職の場合、給付制限期間の最初の1ヶ月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でないと対象外になる点に注意してください。
ケース別:迷ったときの判断
退職前に内定がない
内定がなくても失業保険は受給できます。むしろ、**「求職活動中だが就職できない状態」**が受給の条件です。
ただし、退職前に転職活動を始めておくと、ブランク期間を短くできます。在職中でもハローワークの利用や転職サイトへの登録は可能です。
体調や事情で「すぐ働ける状態」か不安
病気、けが、妊娠・出産、介護などで「すぐには働けない」場合は、受給期間の延長申請ができます。
申請期限:離職日の翌日から、働けない状態になった日の翌日から30日以内にハローワークに届出(郵送可)
延長申請をしておけば、状態が回復した後に改めて失業保険を受給できます。
引っ越し・扶養・保険切替が同時に発生
退職前後は手続きが集中します。優先順位を整理しましょう。
退職後すぐ(〜2週間以内)
- 健康保険の切り替え(国保 or 任意継続 or 扶養)
- 年金の切り替え(国民年金 or 扶養)
- 離職票が届いたらハローワークへ
引っ越しを伴う場合
- 転居先のハローワークで手続きが可能
- 転居前のハローワークで「紹介状」をもらっておくとスムーズ
- 退職後の健康保険|国保・任意継続・扶養の選び方
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己都合退職でもすぐに失業保険をもらえる?
A. 2025年4月以降に離職した場合、給付制限期間は原則1ヶ月に短縮されました。ただし、待期期間7日間と合わせると、初回振込は約2ヶ月後が目安です。また、教育訓練給付金の対象講座を受講していた場合は、給付制限が解除される制度もあります。
Q2. 離職票が届かない場合はどうすればいい?
A. まず会社に督促してください。会社は退職日の翌々日から10日以内にハローワークに届出る義務があります。それでも届かない場合は、退職証明書や給与明細など退職を証明できる書類を持ってハローワークに相談してください。ハローワークから会社に確認してもらえます。
Q3. アルバイトは週何時間までOK?
A. 週の所定労働時間が20時間未満かつ31日以上の雇用見込みがないことが条件です。これを超えると「就職」とみなされ、受給資格を失う可能性があります。すべての就労は認定日に必ず申告してください。
Q4. 転職サイトからの応募は求職活動実績になる?
A. **はい、なります。**ハローワーク経由でなくても、転職サイトや転職エージェント経由での応募は求職活動実績として認められます。ただし、求人情報の閲覧や登録だけでは実績になりません。実際に応募することが必要です。
Q5. 認定日にハローワークに行けない場合は?
A. 原則として認定日の変更はできませんが、以下のやむを得ない理由がある場合は、事前に届け出ることで認定日の変更や郵送での認定が認められることがあります。
- 面接や採用試験
- 病気やけが
- 親族の冠婚葬祭
- 天災など
必ず事前にハローワークに連絡してください。無届けで欠席すると、その認定対象期間は不認定(不支給)になります。
Q6. 説明会を欠席してしまったらどうなる?
A. 雇用保険説明会を欠席すると、受給資格者証と失業認定申告書を受け取れず、失業認定を受けられません。やむを得ない理由で欠席する場合は、事前にハローワークに連絡して指示を仰いでください。
Q7. 会社都合と自己都合の違いは後から変更できる?
A. 離職票に記載された退職理由に納得できない場合は、ハローワークで異議申立てができます。ハローワークが事実関係を調査し、退職理由を判定します。証拠となる書類(労働条件通知書、給与明細、残業記録など)があれば持参してください。
Q8. 失業保険をもらいながら職業訓練は受けられる?
A. **はい、受けられます。**公共職業訓練(ハロートレーニング)を受講すると、以下のメリットがあります。
- 訓練期間中は給付日数が延長される(訓練延長給付)
- 通所手当(交通費)、受講手当が支給される
- 訓練受講が求職活動実績になる
訓練開始日までに受給資格があることが条件です。
Q9. 再就職手当をもらった後、すぐ辞めたらどうなる?
A. 再就職手当の返還義務はありませんが、1年以上勤務する見込みがない就職では、そもそも支給対象外です。また、短期間で再離職した場合、次の失業保険の受給資格期間がリセットされる点に注意してください。
Q10. 扶養に入りながら失業保険はもらえる?
A. 健康保険の扶養認定は一般的に「年収130万円未満」が目安とされており、基本手当も収入として換算されます。基本手当日額が3,612円程度を超えると、扶養に入れない可能性があります(130万円÷360日≒3,611円の計算)。ただし、扶養認定の基準は健康保険組合ごとに異なります。協会けんぽか組合健保かによっても判断が分かれるため、必ず加入先の健康保険組合に事前確認してください。
2025年4月以降の主な制度改正(関連情報)
失業保険に関連する制度で、2025年4月以降に改正されたものを簡単に紹介します。
2025年4月施行
| 改正内容 | 概要 |
|---|---|
| 給付制限期間の短縮 | 自己都合退職の給付制限が2ヶ月→1ヶ月に |
| 教育訓練受講による給付制限解除 | 対象講座を受講していた場合、給付制限なしに |
| 就業手当の廃止 | 非常用雇用での就業手当は廃止 |
| 出生後休業支援給付の新設 | 育児休業給付と合わせて給付率80%に |
2028年10月施行予定
- 雇用保険の適用拡大:週20時間以上→週10時間以上に
まとめ:損しないための最終チェックリスト
以下のチェックリストを保存して、退職前後の手続きにお役立てください。
退職前のチェックリスト
- [ ] 会社に離職票の発行を依頼した
- [ ] 退職理由(会社都合 or 自己都合)を確認した
- [ ] 住所地を管轄するハローワークを調べた
- [ ] 健康保険の切り替え方法を検討した(国保/任意継続/扶養)
離職票が届いたらやること
- [ ] 離職票-2の退職理由が正しいか確認した
- [ ] 必要書類を準備した(マイナンバー、身分証明書、写真、通帳)
- [ ] 届き次第早めにハローワークへ行く予定を立てた
ハローワーク訪問時のチェックリスト
- [ ] 求職申込みを完了した
- [ ] 受給資格の決定を受けた
- [ ] 雇用保険説明会の日時を確認した
- [ ] 最初の認定日を確認した
受給中のチェックリスト
- [ ] 認定日にハローワークへ行く予定を確保した
- [ ] 求職活動実績を記録している
- [ ] アルバイトや就労はすべて申告している
- [ ] 内定が出たらすぐに報告する
参考・出典
一次情報URL
- ハローワークインターネットサービス|基本手当について
- ハローワークインターネットサービス|雇用保険手続きのご案内
- ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数
- ハローワークインターネットサービス|特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲
- ハローワークインターネットサービス|再就職手当について
- ハローワークインターネットサービス|不正受給について
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当日額の変更(令和7年8月1日〜)
- 厚生労働省|令和7年4月から 雇用保険制度が変わります
- 厚生労働省|Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)|被扶養者とは?
参照日:2025/12/16
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言や専門的なアドバイスではありません。失業保険の受給資格や給付内容は個人の状況によって異なります。最終的な判断や手続きについては、必ずお住まいの地域を管轄するハローワーク窓口でご確認ください。
退職は不安なことも多いですが、失業保険の制度を正しく理解し、早めに行動することで、次のキャリアへの準備期間を有効に使えます。この記事があなたの転職活動の一助となることを願っています。


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